社会

秋津壽男“どっち?”の健康学「水虫に“お酢 or アロエ”どっちが効く?医学的に根拠のない民間療法に注意せよ」

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 暑さもピークを迎えてきましたが、夏の大敵といえば水虫です。

 スポーツジムや温泉施設などのスリッパやマットは感染源などと言われますが、いちばん怖いのは湿気と、アカにより白癬菌(カビ)が生息しやすい畳の上です。汗が滴る畳の上でハダシになる柔道は水虫に感染しやすく、今の時期は注意が必要です。

 水泡が潰れると水が出る水虫の「水」とは、傷を治そうとするリンパ液。ヤケドの水泡と同じ成分ですが、ここで問題です。

 水虫の治療に効果があるのは「アロエ」と「お酢」のどちらでしょうか。

 傷口に塗ったり痔が治るなど、アロエには昔から「万能漢方薬」といったイメージがあります。

 食用としても食物繊維が豊富ですし、バルバロインという下剤効果から便秘にも効果があるとされています。傷やヤケドに用いられる場合もあります。ただ、いずれも使用量やアロエの質、種類によっては悪化する場合もあるなど医学的にははっきりせず、民間医療の域を出ません。アロエで水虫治療をする人も少なくないですが、水虫をやっつけるような強い効果はなく100%治る、劇的に効くという保証はありません。

 一方、酢は、木を燃やした煙から作られる「木酢」が水虫を退治します。

 木酢とは赤褐色・暗褐色の液体で木材特有の有機酸(弱酸性)が含まれ、動物撃退や害虫対策、土壌改良など農薬としても使用されています。消臭・殺菌効果があるこの木酢液を患部に塗っている患者さんも少なくありません。

 水虫にはいくつかの種類があります。最もポピュラーなのは、足指の間(特に薬指と小指の間)が白くなって切れていく「趾間性水虫」。皮が剥けてカサカサしたり、患部が湿って赤く切れたりします。指と指が常にくっついて蒸れるため五本指ソックスを履き、木酢液や処方薬を塗るのが治療法です。

 もう一つは水虫の原因である白癬菌が角質の奥まで進行した結果、かかとにまで進行する「かかと水虫」。かかとに水泡のブツブツができ、放っておくとさらなる症状を招くので早急な治療が必要です。

 水虫の中でも怖いのが「爪水虫」。白癬菌が爪の中に感染、放っておくと痛みを生じさせ、他の爪に感染します。薬を塗っても爪の中まで届かないため、飲み薬に頼ることとなります。

 水虫と似た症状が「たむし」で、頭にできると「しらくも」、体や四股は「ぜにたむし」、股間にできると「いんきんたむし」と呼ばれます。いずれも白癬菌の感染が原因で、水虫と同じ治療が必要となります。

 昔から「風邪と水虫の治療薬を発明したらノーベル賞」と言われてきました。風邪はあらゆる病気の複合であり、症状を抑える薬はあっても、何百種類もある風邪のウイルスは抑えられません。

 水虫の場合、現在病院で処方されている飲み薬・塗り薬はものすごく優秀でほぼ完治できますが、薬により水虫の症状が治まると治療をやめてしまうのが難儀です。水虫が消えても白癬菌は残っており、3カ月もすればぶり返すため、完治したと思っても半年は薬を服用してください。

 また、足が赤がゆくなった場合は「湿疹」の可能性もあり、医者でも間違えることがあります。

 この際にステロイド軟膏をつけると、かえって水虫を広げてしまうので、慎重に見極めねばなりません。

 さらに「水虫菌による湿疹」が起きることもあるなど、水虫は進行するほど症状がやっかいになります。発見したら放っておかず、きちんと治療をしてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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