エンタメ
Posted on 2012年07月24日 10:54

死んでも「アイツ」に勝ちたかった⑦ ピューマ渡久地 世界王者・ユーリに壮絶TKO負けの悔根(2) 

2012年07月24日 10:54

1度は王座戦を断っていた

 渡久地が活動停止中の2年半で周囲の状況は一変していた。ユーリは92年にWBC世界フライ級王座を獲得し、着々と防衛回数を伸ばしていた。辰吉や鬼塚も、浮沈こそあったものの業界のリーダーとして存在感を増していた。「平成の三羽ガラス」の中で渡久地だけが忘れ去られようとしていた。

 ユーリのことは新聞やボクシング専門誌でチェックしていました。試合はテレビで生中継を見たり見なかったりで、見なかった時はあとでビデオを見ました。周りは「ユーリはボクシングがうまい」と言うけれど、僕はそれほどとは思わなかった。ただ、スピードがあって右ストレートを当てるのはうまいなと。あの右だけは警戒しないといけないとは思っていました。

 処分が解けた渡久地はジムを移籍してリングに戻ったが、初戦で元世界王者に9回TKO負けを喫してしまった。強打は健在だったが、勝負勘にはサビが見られた。

 その後、元の地位(日本王者)に戻るまでには、実に2年という時間がかかった。この頃には所属ジムも再度変わっていたが、日本王座は3連続KO防衛を果たすなど、国内では頭ひとつぬきんでた存在になっていたのである。ユーリ陣営から世界王座9度目の防衛戦の相手として逆指名を受けたのは、そんな時だった。

 狂喜して二つ返事で受けたかと思いきや、意外なことにその話を渡久地はいったん断ったというから驚きだ。

 日本タイトル3度目の防衛戦が終わったばかりで、気が抜けていたんですよ。そんなタイミングでいきなり話が来たのでビックリしました。試合まで2カ月しかないというし、十分な準備ができないじゃないですか。

 ユーリと戦うんなら、ベストの状態でやりたいですからね。それに、あの頃の僕には信頼できるトレーナーもスタッフもいなかったから、モチベーションも高くはなかった。ボクシングは個人競技だけど、実際はボクサーひとりじゃ戦えないんですよ。だから「7月じゃ無理です」と断った。そしたら家内から言われたんですよ。「覇気のないピューマ渡久地の試合なんか二度と見たくない。ボクシングそのものをやめてしまえ!」って。ユーリ側に「やる」と伝えたのは次の日でしたよ(笑)。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク