スポーツ

週刊アサヒ芸能「創刊60年の騒然男女」スポーツ界「波乱のウラ舞台」<プロレス篇/核心インタビュー・坂口征二>馬場・猪木と駆け抜けた50年

20161020x

 63年、不世出のスーパースター・力道山(享年39)が急逝。以降、プロレス界を牽引したのは愛弟子である、ジャイアント馬場(享年61)とアントニオ猪木(73)だった。日本プロレス時代から2人を知り、たもとを分かってからも近くで見続けた、現新日本プロレス相談役・坂口征二(74)が永遠のライバル2人と駆け抜けた50年間の秘話を明かす。

 俺が日本プロレスに入ったのは67年、25歳の誕生日だったな。自分で言うのもなんだけど、スポーツ紙でも俺の試合で1面を飾ったよ。

 当時はあんまり猪木さんとの接点はなかった。馬場派・猪木派で言うと、どっちかっていうと馬場派(笑)。

 馬場さんからは弟のようにかわいがってもらった。馬場さんがハワイにマンションを買った時も、俺と2人で庭を掘り起こして庭園を造ったりしたな。後年、馬場さんがもう一度タッグを組みたい選手として、俺の名前をあげてくれてたよ。俺も馬場さんとのタッグには思い入れがあるね。

 72年、猪木さんが日プロを抜けたあと、馬場さんも離脱となった。周りには馬場さんについていくって思われてたのかな。馬場さんからは「俺は辞める。お前は日プロを守れ」って言われたんだ。それでいろいろあって猪木さんと合流するわけだけど、選択は間違ってなかったって思ってるよ。

 新日本移籍の前後に馬場さんに連絡? それはしなかった。日プロの選手も社員も皆、新日本で引き取ってくれるという話で進めてたからね、日プロを守るということに必死で。でも今思うと、あの時、俺と馬場さんが一緒になってもうまくいかなかったと思うよ(笑)。似た者同士ってうまくいかないんじゃない? 俺と猪木さんとは性格が違うから逆によかったと思えるな。

 新日本に入った頃はまだ俺も若くて、猪木さんに対して「なにクソ!」っていう気持ちだった。でも何年かして、お互い張り合っても会社はうまくいかないって思えるようになった。猪木さんの練習やバイタリティを見てたらね。オフには副業で動き回って。失敗ばかりだけど(笑)。ただ、猪木さんの副業についていろいろ言う人がいるけど、ブラジルまで一緒に行ったら、「将来、選手が引退したあと、この事業で生活できるように」と考えているのを聞いたことがある。

 85年頃からかな、馬場さんと猪木さんとホテルで1~2カ月ごとに会ってた時期があるんだよ。2人が会うなんて大事だから、いつも駐車場から部屋に直行、入る時間もズラしてホントの“密会”だった(笑)。

 統一コミッションを作ろうと、弁護士も呼んで話し合ってある程度までは進んだけど、最後でうまくいかなかったね。ただ2人とも、自分たちがトップのうちに、将来のプロレス界のためにという気持ちはあったと思うよ。毎回、馬場さんが「お前も来いよ」って。2人だけでは気まずいところもあったのかな(笑)。

 馬場さんには“兄貴”みたいな余裕があったね。猪木さんも馬場さんに対しては先輩として接していた。ただ、お互い立場もあるし、なかなか本音で話すことは難しかったのかな。よく言われてることだけど、猪木さんは馬場さんとは入門時の立場が違ったから、追いかけて、けしかけてっていうところがあってね。会社でも内輪では「全日本には負けるな!」とハッパをかけて、意識していたからね。

 馬場さんと猪木さんとの対戦? 若手時代は別として、そもそもトップ選手の日本人同士の対戦ということがない時代だったからね‥‥。

 馬場さんはいつも淡々として怒ったところは見たことも聞いたこともないな。全日本でも怒る人は別にいて、自分はそうする必要がなかったみたい。

 そういえば99年、馬場さんが亡くなった時に遺産額が報道されたんだよ。その時の遺産額と猪木さんの借金の額が一緒くらいだった(笑)。まあ、そのあたりは猪木さんが引退の時にキレイにしたけどね。最近では猪木さんとは6月に会ったよ。「お互いに弱ってんな」って(笑)。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」
2
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
3
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
4
新庄監督の「狙い」はココに!1軍昇格の日本ハム・清宮幸太郎は「巨人・オコエ瑠偉」になれるか
5
ボクシング・フェザー級「井上尚弥2世」体重超過の大失態に「ライセンスを停止せよ」