文部科学省の組織的な天下り斡旋問題で追及を受ける松野博一文科相(54)に、新たな問題が発覚した。秘書が「無銭飲食騒動」を起こし、店とトラブルになっていたのである。その一部始終を追うと──。
「4人はスクッと立ち上がると、コートを手に持ったまま急いでカバンを取り、無言のまま脱兎のごとく逃げていきましたよ」
憤懣やるかたない様子でこう語るのは、東京・新橋のスナック「Y」のママ。雑居ビルの地下にあるこの店に「4人」がやって来たのは、昨年12月21日のことだった。
「夜11時頃だったと思います。男性3人、女性1人が一見で入ってきた。女性は店にいた常連客の1人と顔見知りだったようで、挨拶をしていました。そういえば、直前に(常連客が)電話していたけど、その女性とだったのかもしれない。ボトル制であることを説明するとウイスキーにする、と。4人はカウンター後ろのソファ席に座り、水割りを作ったら、飲むや歌うや、ドンチャン騒ぎ。1時間ほどたって、男性2人が名刺を差し出しました」
名刺の主は松野文科相の秘書・T氏と、白石徹衆院議員(60)の秘書・S氏。ちなみに、常連客のA氏と顔見知りらしき女性は、菅家一郎衆院議員(61)の秘書・M氏だった。やがて時間は経過し、ママは営業終了をアナウンスする。
「さんざん飲んで、おつまみもいろいろ出しました。それで『お会計、お願いします。皆さん、もう終わりますから』と言って、お勘定を書いた伝票を出したんです」(ママ)
その直後に展開されたのが、冒頭の「逃走シーン」だという。ママが続ける。
「1人目がドアを開けて出ようとしたところで再度、『お会計、お願いします!』と大声で言いましたよ。でも、4人はそれを無視して階段を駆け上がっていってしまった。慌ててカウンターから出て追いかけ、外へ出たけど、もう姿が見えなかったですね」
残されたのは、T氏の名前が書かれたキープボトルのみ。そしてこのあと、事態は第二の展開を見せる。数日後、くだんの常連客のA氏が「Y」に立ち寄った際、こう言ったという。
「あの女性(M氏)とは1、2回しか飲んだことがない。でも(顔見知りの)責任を感じるから、立て替える」
そしてママに、4人が支払うはずだった代金2万7500円を渡している。
「Aさんに領収書を渡すと、携帯電話のカメラでそれを撮影して、その場で女性(M氏)に送信して返済を促していました。女性は他の3人からも集金して返す意思を見せたようですけど、そのあとは何の連絡もなかった」(ママ)
そのまま年が明け、再びA氏は「Y」へ飲みに来た。ママによれば、
「Aさんは『あれから何の音さたもない。電話してもメールしてもナシのつぶてだ。あの女はバカにしている』と怒っていました」
1月27日になって、「Y」の別の常連客がママとA氏を助太刀すべく松野氏の事務所に連絡を取り、あらためて返済を促した。すると即日、松野氏の別の秘書からA氏に「会って弁償したい」と連絡があったという。