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記事全文を読む→ビートたけしの金言集「ビートたけしは結構ブランド名に弱い」
ある日、明らかにダサいが、どことなくイタリアンな風を感じる、やたら派手なシャツを着ていた弟子がいて、その姿を認めた殿が、
「なんだそのシャツは! お前はイタリアのダメなジゴロか!」
と、軽くツッコんだのを合図に、周りのわたくしたちも、「よくそれ着て電車乗ってきたな」「お前はひと昔前のパ・リーグの選手か!」等々、面白がってイジっていると、その弟子が、「でもこれ、○○○なんですよ。姉のイタリア土産でもらったんです」と、誰もが知る“高級有名ブランド名”を出してきた。すると、ついさっきまでさんざんわたくしたちと一緒になってバカにしていたはずの殿が、
「○○○か。まー確かによく見りゃ色合いがいいよな~」
と、急に派手なシャツの擁護派へと寝返ったのです。
こういった殿のお姿、わたくし結構見ます。
殿が一時期よく通っていた某有名老舗デパートがあり、殿はそのデパートで購入した品々を、やたらと褒めちぎっていたことがありました。
「○○で買ったんだけどよ。いいだろ」
「○○のだからな。安心だな」
等々、とにかくデパート名を連呼しては、買った商品を絶賛されるのです。で、最終的には、そのデパートの地下駐車場にいるガードマンをも、
「○○のガードマンが言ってたんだけどよ。こないだの俺の特番、評判いいんだって?」
「○○のガードマンがあの企画面白いって言ってんだよな」
等々、“○○のガードマンが言ってるんだから間違いない”といった感じで、120%の信頼を寄せていました。きっと、これが北関東あたりの国道沿いにあるショッピングセンターのガードマンさんなら、こうはならなかったでしょう。
その昔、殿からサンダルを買ってくるよう指示された時、それなりにお値段のする物を購入しようと考え、その旨を殿にお伝えすると、その日は少しばかり虫の居所が悪かったのか、
「サンダルなんか何だっていいよ。安いの適当に買っとけ」
と軽くキレられたのです。が、さすがに安旅館にあるような茶色いゴム素材の便所サンダルを、天下の殿に履かせるわけにもいかず、5000円程する、あるスポーツメーカーのサンダルを購入して届けると、
「これいいな」
と、殿はそのサンダルをいたく気にいり、どこへ行くのもそのサンダルをつっかける日々が続いたのです。が、3カ月程したある日、熱心なファンから、超高級ブランドのサンダルをプレゼントされた殿は子供のようにはしゃぎ、鏡の前で履いてチェックすると、
「やっぱり違うな~。しっくりくるな」
と絶賛。そして、先代のサンダルを指差し、
「その汚いのお前にやるよ。持ってけ!」
と、実にあっさり、さっきまでお気に入りだったサンダルを見切ったのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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