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記事全文を読む→「原発発禁本」の戦慄内容を公開する!(2) 直撃取材にも鉄面皮を貫く
東京電力の事故当時の会長、勝俣恒久(72)。都内の高級住宅街の中でもひときわ目立つ、高い塀の要塞のような一軒家が、勝俣の自宅である。会長を退任するまでは、ポリボックスが設置され、警官が常駐していた。今も15~30分の間隔で、警官の巡回がある。
今年7月、スタッフが張り込んでいると、勝俣が現れた。一緒にいるのは、キックボードに乗った5歳くらいの男の子。その様子から勝俣の孫であることは、すぐにわかった。
スタッフが声をかけると、勝俣は答えた。
「私はもう東電の人間ではないし、一線を退いたから関係ありませんよ」
勝俣らしい居直りだ。会長退任後は、日本原子力発電株式会社の社外取締役へと天下りしている。いまだれっきとした関係者なのに‥‥。
同書には余すところなく書かれているが、福島原発事故に、勝俣は直接の責任がある。
勝俣が社長だった07年7月、新潟県中越沖地震の発生で、柏崎刈羽原発で火災が発生。放射能を含む水漏れ、ダクトのずれ、ボルトが折れる、油漏れなどの事故が50カ所に上った。
これを受けて「福島原発10基の耐震性の総点検などを求める申し入れ」が、日本共産党福島委員会、県議団、市民団体らから勝俣に提出されていた。
そこには「福島原発はチリ級津波が発生した際には機器冷却海水の取水ができなくなることが、すでに明らかになっている」と、はっきりと指摘されていた。
また、アメリカの原子力安全委員会は、福島原発1~5号機と同じGE社の「マーク1」型でシミュレーションを行った。停電した場合、5時間で燃料が露出。5時間半で水素爆発。6時間でメルトダウン開始。8時間半で格納容器損壊という結果が出ていた。
もちろん東電はこの結果を知りながら、福島原発事故後、「想定外」という言葉を繰り返した。
シミュレーション結果を知っていて、何の対策も取らなかったのは、業務上の過失責任が問われてしかるべき「人災」である。
東電を辞めようが何をしようが、勝俣には当時の社長としての責任は、一生問われるべきものだ。
ところが、勝俣は一度も福島を訪れることなく、避難民に謝罪すらしていない。そして、孫と遊んでいたのだ。スタッフの問いかけにも、「政府に言って」「引退したんだから‥‥」と繰り返したのだった。
福島県南相馬市に住む、70代の男性は憤る。
「私は寺の住職だから、ここにとどまるしかない。皆と協力して、街の復興のために頑張るつもりだ。ただ、放射能の子供への影響は心配だから、孫は母親と一緒に、親戚のいる宮崎に疎開させている。1年間で会えたのは、1度きりですよ。孫を遊ばせるのが悪いとは言わないが、福島に来て除染の手伝いでもしたらどうなのか。私と勝俣は同じ年代だ。さまざまな経験をしてきた私らが、復興のために頑張るしかない、と思っている。勝俣が隠居していることには、怒りを通り越して、情けない気持ちになる。これが、戦後の荒波を乗り切ってきた同じ日本人なのか」
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