芸能

流行再来「昭和歌謡」の火付け役は江木俊夫

 テレビをつければ、昭和歌謡の特番が頻繁に放送されている昨今。この需要、ムーブメントの発信元は各地のコンサートやライブ会場などの「生の現場」が中心となっている。その「仕掛け人」たちが、ブームの内幕を激白する。

「大物17人が集結し往年のヒット曲を歌います」

 ここ数年、「同窓会コンサート」なるものが日本全国で開かれている。チェリッシュや麻丘めぐみら昭和時代のポップスや歌謡曲のスター17人が出演し、往年のヒット曲で盛り上がるのだ。同コンサートを制作する三貴エージェンシー・小川茂雄代表が語る。

「江木俊夫さん(フォーリーブス)がナビゲーターを務める今の形になったのは、09年からですね。その前は、故・玉置宏さんに司会に入っていただいた『歌のアルバム 同窓会コンサート』というのがありました。同窓会コンサートという名前は、そこから引き継いでいます」

 1000~2000席の会場を使い、昨年は40カ所で開催。09年からは延べ15万人以上を動員するコンサートになった。

「お客様は50代、60代が中心ですが、70 代の方もいらっしゃるし、最近は若い方も見かけます。お母さんがお子さんを連れてきたり、お子さんがお母さんにチケットをプレゼントしたりも。それで、お母さんたちが会場で一緒に歌っているのを見て、子供がびっくりするんですね。ステージと客席が一体となって、本当に同窓会という感じですから」(前出・小川氏)

 同窓会コンサートからは「S4(エスフォー)」なる新ユニットも誕生した。メンバーは江木、あいざき進也、晃(フィンガー5)、高道(狩人)で、昨年6月にはシングル「夢のつづき」(作詞・児島隆、作曲・井上大輔)をリリースした。小川氏が続ける。

「僕の知り合いがたまたま故・井上大輔さんのデモテープを持っていたんです。それがまるでS4のために作ってくれていたんではないかと思えるようないい曲でしたね。我々はずっと、コンサートのエンディングテーマとしてオリジナル曲を作りたかったんですが、それが『夢のつづき』になりました」

 この「同窓会コンサート」はやがて各方面に拡散し、同様の歌謡コンサートが派生。その一つが「夢コンサート」なるものだ。

「こちらは演歌色が強く、もう一世代上の島倉千代子さんや小林旭さんも出ておられます。同窓会コンサートとはお互いに協力し合っています」(前出・小川氏)

 昨年14公演、今年は43公演と、こちらも拡大中だ。この10月、11月の公演では他に黛ジュン、松方弘樹、山本リンダ、伊藤咲子、平浩二、三善英史、狩人、フォーリーブス、桑江知子、タケカワユキヒデら豪華な顔ぶれがそろう。

 一方、町なかには昭和歌謡を楽しむライブスポットが点在する。その一つ、「ハチのムサシ」(埼玉県川口市)は、70年代初頭の大ヒット曲「悪魔がにくい」「ハチのムサシは死んだのさ」で知られる「平田隆夫とセルスターズ」が立ち上げた店である。リーダーの平田が昨年死去し、現在は菊谷英紀氏(ギター、ボーカル)が代表となり、「ハウスバンド」として昭和歌謡を「布教」しているのだ。

「ゲストに加橋かつみ(元ザ・タイガース)や(和製ポップスの元祖である)エミー・ジャクソンを招いたりしています」(菊谷氏)

 平日の昼はカラオケの店として、熟年客が昭和歌謡を歌いまくる。夜は酒を飲みつつ、ステージではリクエスト曲も演奏される。

「9月、セルスターズの後継バンド『Bee Dolls』が誕生しました。腕の立つ、かつベッピンの、平均年齢23歳の4人の女の子と私で構成しています。はやくも外部からオファーが入って演奏に出向いたりしていますよ」(菊谷氏)

 ブームの波は、酒場にも浸透していく。全国にある「昭和歌謡酒場」だ。3年前にオープンした昭和歌謡リクエストバー「あの頃のスーパースター」(東京・新橋)は盛況につき、今年1月に店を増改築したほどだ。壁一面にポスターや当時の雑誌の切り抜きが貼られ、店内は懐かしさでいっぱい。

「お客さんのメインゾーンは30代後半のサラリーマン。リクエストは松田聖子、尾崎豊、プリンセスプリンセス、BOØWY、南野陽子が多いですね。やっぱり今のJポップより、70~80年代の歌謡曲のほうが楽しいし、みんなで歌える。それが魅力だと思います」(狩野葉蔵店長)

 あちこちから昭和歌謡のメロディが聴こえてくるのだ。

カテゴリー: 芸能   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
ひとり爆売れのTravis Japan松田元太が歩む「グループ脱退」の未来
2
楽天・村林一輝の豪華すぎる結婚式に「重要な2人」の姿がなかった理由を詮索してみた
3
藤浪晋太郎×森友哉「大阪桐蔭バッテリー」が特別対談で激白した「藤浪のノーコン対策」
4
「野外音楽フェス」参戦の中森明菜が香取慎吾・稲垣吾郎・草彅剛の事務所に「合流」タッグ!
5
JR西日本「本物のヘッドマーク」レンタル開始で「撮り鉄」騒然!でも暴走行為が起きないワケ