社会
Posted on 2017年09月08日 05:55

私は「地獄のタイ刑務所」からこうして生還した!(4)「お前は99年間、入国禁止だ」

2017年09月08日 05:55

 竹澤氏はそんな刑務所の中で生きていくために、商売を始めることになる。

「最初にやったのは、タバコのバラ売りとドーナツの販売。1箱20本入りのタバコを刑務所内の売店で45バーツで仕入れ、2本5バーツで売る。これが1日60本ほど売れたんです。それを元金にして、あんこ入りドーナツを1日に15~20個作って売ると、けっこう売れるようになった」

 さらに、タイで発行されている日本人向けフリーペーパー「DACO」で獄中記の連載をスタート。

「編集部に手紙を書いて支援を求めると、編集長が面会に来てくれて、獄中記を連載しないか、と。ギャラは1回1500円で、月2回。読者と知り合いになり、支援者もできて、日本の食材や古着、100円ショップで売っている商品を差し入れてくれた。特に、テレビ用の長いイヤホン(200バーツ)や、垢すり用タオル(80バーツ)は人気で、すぐに売り切れました」

 14年12月、所内を特赦の噂が駆け巡った。王女が60歳を記念して、かなり大規模な特赦を行う、というのである。

 そして16年8月31日、ついに朝礼で刑務所長から釈放を告げられ、竹澤氏は強制送還のため入管移送待ちとなったのだ。

「9月8日、夕方5時過ぎに空港に着くと入管職員から日本のパスポート代わりになる『帰国のための渡航書』を手渡され、『お前は99年間、タイへ入国禁止だよ』と言われた。てっきりジョークだと思っていたんですが、本当のようでしたね(笑)」

 飛行機は定刻どおり、22時10分にスワンナブーム国際空港を出発。機内で14年ぶりに味わったビールの味は生涯忘れられないという。

 帰国から1年。竹澤氏は現在、住み慣れた栃木県小山市に戻り、市内でタイ料理店開店のための準備を進める一方、自身の数奇な運命を赤裸々につづった著書「求刑死刑 タイ・重罪犯専用刑務所から生還した男」(彩図社)を出版した。

「私は自分が起こした罪で50歳から64歳までの14年間の時を失いましたが、東南アジアではドラッグが身近にあります。でも軽い気持ちで手を出せば、私が経験したような地獄が待っている。営利目的の密輸は東南アジアのほぼ全ての国で死刑の求刑がなされます。読者の皆さんも私のようになりたくなければ、絶対に手を出さないことです」

 死刑求刑から奇跡の生還を果たした竹澤氏の言葉が重く響く──。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月04日 07:00

    地上からは想像もつかない深海で、半世紀前に投棄された「核のゴミ」が静かに朽ち果てている――。米メディア「The Week」電子版が、そんな背筋が寒くなるようなニュースを報じた。フランス沿岸から約1000キロ離れた北東大西洋海域の水深約470...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    政治
    2026年09月04日 07:15

    中国人民解放軍が公開した一本の「反戦アニメ」に、日本から「ジブリの丸パクリではないか」との批判が集中している。人民解放軍の英語版公式Xは「中国は日本当局に軍国主義との決別を促す」との投稿に2分5秒の短編アニメ「平和の仮面」を添付した。画面に...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年09月05日 14:15

    東京都港区で8月に行われた「麻布十番納涼まつり」で、屋台の「冷やし蟹ラーメン」を食べた78人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、3人が入院した問題で、新たな衝撃事実が判明した。東京都と港区は発症者31人と従業員2人の便からサルモネラ属菌が検出され...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/1発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク