邦画のテレビスポットが、涙を誘うものばかりだ。ネットでそのような意見を見た。もっともだと思う反面、職業柄からして、その裏にある邦画の事情も気になってしまう。同じ現象なのだろう。最近の映画館で流される予告編には「泣ける」という文字がやけに多い...
記事全文を読む→大高宏雄
いしだあゆみさんが3月11日に亡くなってから、1カ月ほどが過ぎた。この訃報を知った時はそれほどではなかったが、少し経ってから、ショックの度合いが意外に大きいことを知った。今も引きずっている。世代的な感覚が大きい。いしだあゆみ(と呼ばせてもら...
記事全文を読む→米アカデミー賞は、地味な結果に終わった。地味の意味はいかようにもとれるが、興行面における「アカデミー賞効果」という点を考えてみると、地味な意味合いが、より鮮明になってこよう。発表に合わせた作品では「ANORA アノーラ」「名もなき者 A C...
記事全文を読む→長塚京三に目を見張った。公開中の吉田大八監督の「敵」で、主人公の元大学教授・渡辺を演じる。77歳という年齢設定は、彼自身の実年齢とほぼ同じである。妻を亡くし、瀟洒な古い家で一人住まいをしている。老いを演じる俳優は多いが、今回ばかりは恐れ入っ...
記事全文を読む→2025年の正月興行は「はたらく細胞」が頭ひとつ抜けた格好だ。1月5日時点で興収41億3000万円を記録し、50億円突破がほぼ確実となった。50億円超えが実現すれば、2000年以降の正月興行の邦画実写作品としては、3本目となる。昨年に何本も...
記事全文を読む→火野正平さんが11月14日に亡くなってから、3週間あまりが過ぎた。75歳だった。火野さんといい、西田敏行さんといい、唐突な印象のある俳優の訃報が続いている。全くタイプが違っていたお二方だが、最期まで現役で活躍し、俳優の道を突き進んだのは同じ...
記事全文を読む→今年も映画賞発表の季節になってきた。俳優たちの動向から見てみると、より興味が深まるかもしれない。実力派俳優の活躍が目立つ年だったからである。その中の一人が池松壮亮だ。この10年以上、常に日本映画の第一線で活躍してきた。主演作も多い。2010...
記事全文を読む→異色の時代劇がヒットしている。「侍タイムスリッパー」だ。都内1館で公開されたのが8月17日。それが10月末にはなんと、283館にまで拡大された。興収は5億円を超えている。SNSなどの口コミによる人気の広がりから動員を伸ばし、上映館の数が増え...
記事全文を読む→米国の近未来の内戦を描いた話題作「シビル・ウォー アメリカ最後の日」の公開が始まった。「2024年最大の問題作」との触れ込みの作品だ。今の米国の政治的な分断状況を背景にしている。連邦政府からいくつかの州が独立して武装化し、ホワイトハウスの現...
記事全文を読む→少し前の話になるが、今年の8月30日は、三菱重工爆破事件から50年目にあたった。新聞では比較的大きく取り上げられたが、テレビ報道やネット上では、あまり見かけなかった。今年1月、その爆破事件が起きた翌年の1975年に連続企業爆破事件の容疑者と...
記事全文を読む→今年の映画界を俳優の活躍で見た場合、江口のりこの当たり年だと言われている。とにかく主役クラスも含めて、出演作品が多い。彼女の主演最新作「愛に乱暴」が公開されている。インパクトのあるタイトルである。原作は吉田修一。吉田の小説で映画化された作品...
記事全文を読む→フランスの映画俳優アラン・ドロンが亡くなった。8月18日、フランスのメディアが報じた。88歳だった。アラン・ドロン。このなんとも甘味でゴージャズな響きが、洋画=フランス映画の輝きと一致していた時代の「銀幕」の大スターである。特に1960年代...
記事全文を読む→夏興行も終盤に入った。この夏、映画を見ただろうか。映画館に行っただろうか。「あ、行ってないなあ」という人のほうが断然多いことだろう。昔の夏なら、映画館に「冷房完備」の看板がよく目についたものだ。映画館にはクーラーがあり、過ごしやすかった。そ...
記事全文を読む→中尾彬さんが、5月16日に亡くなった。享年81。報道の大きさに驚いた。スポーツ紙だけを見ても、日刊、スポニチ、報知の3紙が一面トップ。スポニチと報知に至っては、芸能面で2ページにわたった。嬉しい報道ぶりだった。これは中尾さんの人生の逆転劇で...
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