スポーツ
Posted on 2012年03月14日 10:59

「無職ランナー」藤原新でわかった実業団の弊害(2)選手を使い捨てする指導者

2012年03月14日 10:59

「(藤原と川内の)2人は従来の形にとらわれない考え方を持っている。実業団選手も従来の価値観だけでなく、新たな考え方を取り入れていく必要がある」
 東京マラソン終了後、日本陸連男子マラソンの坂口泰部長は2人の「脱実業団選手」について、こう触れた。実業団のやり方への「ダメ出し」である。この真意を、陸上専門誌ライターは次のように解説する。
「世界では現在2時間3分台の勝負をしていますが、日本マラソン界は02年10月に高岡寿成が出した2時間6分16秒という日本記録を10年以上も破ることができずにいます。しかも、ここにきて台頭しているのは、(藤原、川内ら)実業団選手ではない。大学長距離界の有望株はほとんどが実業団に入りますから、ゆゆしき事態です」
 なぜ、実業団選手は育っていないのか。前出・アマスポーツ担当記者が話す。
「実業団の親会社は、個人名がフィーチャーされるマラソンより、団体で企業名が露出する駅伝での成果を求める傾向がありますね」
 さらに、実業団の指導者の姿勢を問うのは、前出の専門誌ライターだ。
「不景気な世の中ですから、駅伝で結果を出さないと廃部になる可能性も低くありません。でも取材をしていると、『大事に選手を育てるよりも、使い捨てでもいいから目先の駅伝で結果を出して、自分の首をつなぎたい』という本心が見え隠れする指導者が、残念ながら多いんです」
 そもそも、駅伝とマラソンの練習方法にはどのような違いがあるのか。スポーツライターの折山淑美氏の解説を聞こう。
「駅伝は1区間通常10~20キロですから、スピードを追求する練習がメイン。そして質より量を求める傾向がある。体には相当な負荷がかかり、耐えられない選手は故障します。一方で、マラソンは駅伝の2~4倍を走るため、長い距離を走る練習をしなければなりません。距離が違えば、刻むラップや負荷のかけ方など、駅伝とは走るリズムも変化する。しかも大会に合わせて鍛錬期、調整期と長いスパンをかけ、高地合宿に行ったりと、時間と手間がかかるのです」
 手っとり早く駅伝に…ということなのか。藤原の場合、契約トラブルがあったにせよ、練習方法にも疑問を感じていたようだ。
「JR東日本に在籍していると、例えばニューイヤー駅伝などに、半ば強制的に出場しなければならない。駅伝に出るなら、そのための練習をする必要がある。合宿もあるし、決められた時間に決められた距離を走ったりします。実業団特有の練習ですね。が、マラソンは個人競技だから、本番から逆算して自分で調整できる。藤原はそれを選んだということです」(日本陸連関係者)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    女子アナ
    2026年04月04日 18:00

    この春も、フレッシュな美女アナ1年生たちが各局に入社。振り返れば、のちにエースとして君臨したレジェンドたちにも若葉の頃はあった。しかし、彼女らは初々しさもそこそこに、スタートから段違いの未来を嘱望された「破格の新人」だった。かつて&ldqu...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年04月02日 11:30

    プロ野球の世界では毎年のように「オフの戦力外通告」が大きなニュースになるが、まさかアナウンサーにまでその波が押し寄せるとは、当の本人も思わなかっただろう。日本ハムが今季、本拠地エスコンフィールドでのホーム戦ヒーローインタビューを、各局アナウ...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年04月03日 07:30

    「『母に捧げるバラード』でやっと、どこの会場に行っても1000人ぐらいお客さんが集まる人気を獲得したんですよ。紅白歌合戦に出て、これで一説によれば、10年食えるって。それが翌年からローカル歩き出したら、みるみるお客さんが引いているの」これは...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/4/7発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク