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記事全文を読む→北朝鮮・金正恩の「わんにゃんアピール」大作戦!「犬肉料理店」大々的オープン直後にペットショップで「白い子犬」を抱き上げ…
北朝鮮の首都・平壌にある大同江のほとりに、一軒の巨大なレストランがオープンした。3月末のことだ。この店は金正恩総書記が自ら敷地を選び、デザインまで指導したという肝いりで、看板メニューは北朝鮮で「タンコギ(甘い肉)」と呼ばれる犬肉。
北朝鮮で犬肉は滋養強壮に効くスタミナ食として、古くから市民に親しまれてきたが、タンコギは金総書記が自ら普及を後押しする「国を挙げたグルメ」である。
そんな店のオープンからわずか数日後の4月3日、平壌の新興住宅地・和盛(ファソン)地区を視察した金総書記が、愛娘のジュエ氏と訪問したペットショップで、白い子犬を愛おしそうに抱き上げる姿が国内メディアに大々的に報じられた。この「わんにゃん好き親子」アピールについて、北朝鮮ウォッチャーが言う。
「かつての金正日時代には、ペットを飼うこと自体が『ブルジョア的な堕落』とされ、非社会主義的行為として摘発対象になったものです。しかし近年は正恩氏自ら『ペットを飼う家庭が増えている』と語るように、北朝鮮で犬や猫を飼う人々が増えた。平壌に限られるものの、ペットのシャンプーやトリミングができる店が出現しているのは事実です」
とはいえ、一方では高級犬肉店の質向上を叫び、他方ではペットを抱いて満面の笑顔。
「一見、矛盾する行動に、どうしたものかと…」(前出・北朝鮮ウォッチャー)
「食べる犬」と「抱く犬」の境界線
北朝鮮情勢の専門家はその理由のひとつに「韓国への対抗心」があるのではないかと分析する。
「というのも、韓国では今年1月、食用犬の飼育と流通を禁じる犬食禁止法が成立しています。2027年からは国内での食用目的の犬の飼育及び流通が完全禁止となりますが、そんな韓国の情勢を尻目に、北朝鮮は『我が国では犬肉は伝統文化であり、かつペットを愛でる余裕もある』という多様性をアピールしているように思います」
ただ、庶民にとって犬肉は、豚肉よりも高価な贅沢品。口にすることができるのは、平壌で暮らすごく一部の特権階級の人々のみとされる。北朝鮮情勢の専門家が続ける。
「ですが今回の視察先にはペットショップのほかに、高級楽器店や美容院、カー用品店などが含まれていました。つまり正恩氏が犬肉専門店を大々的に宣伝する一方、笑顔で犬を抱っこすることで、『同胞の食文化』を捨てた韓国を蔑む意味がある。と同時に、北朝鮮が文化やレジャーを嗜む『普通の近代国家』になったことを誇示し、それを内外に示すことで体制の安定をアピールする狙いがあったのではないかと分析されています」
この独裁者にとって「食べる犬」と「抱く犬」の境界線がどこにあるのかはわからないが、その腕の中で尻尾を振る子犬は、タンコギ料理店の厨房へとは繋がっていないということなのだろう。
(灯倫太郎)
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