芸能
Posted on 2018年04月04日 12:57

吉永小百合の「過去・現在・未来」(12)「こんな小百合を観たかった」

2018年04月04日 12:57

 あなたがこのままの状態で女優人生を終えるのは、あまりにも悲しい気がします。サユリストは不完全燃焼、欲求不満です。いい時を知っているだけにね‥‥。

 結婚してから、地元商店街のある店主が「あの人はいつも、いちばん安いものを買っていく」と証言していました。子供の頃の極貧生活を覚えているから、あんなに稼いでも、同じ商品でも安いものを手に取ってしまう。倹約家が体に染み付いているんですね。それはかまわないと思います。だけど、つつましく、ばかりではつまらないでしょう。演技も清純派だとか、神格化されたイメージだとかを引きずっていても、飽きられると思うのです。

 あなたは「百合の会」という、昔の映画スタッフが集まる同窓会のようなサークルを主宰しているけれど、そこにやってくるのは男性ばかり。なぜか女性は「入会」させたがりませんね。ステキな女性が来たら、自分がかすむからなのかしら。やはりあなたは「女王」でいたいんでしょう。そういう気概を「意外性のある作品」でぜひとも見せてもらいたいと思っています。

 あなたは最近出した著書「私が愛した映画たち」の中で、こう書いています。

〈デビュー作の『朝を呼ぶ口笛』から『北の桜守』まで、一二〇本の映画に出たわけですが、達成感というのはまだないです〉

〈映画女優として、この先、どう歩んでいくのか。それは、まず一二〇本目となった『北の桜守』をじっくり自分の中で消化した後で、見えてくるのだと思います〉

「北の桜守」を消化しなくても、あなたの「未来」はもうハッキリしています。最後に打ち上げ花火のように、いい監督、いい脚本を選び、バーンと思いがけない役をやってほしい。ハミ出すような、ハラハラさせるような、喜怒哀楽が全て詰まっている作品でハジけてほしい。「あぁ、これが小百合だったんだ」と思える素晴らしい作品で。

 35年ほど前、あなたが「細雪」に出演した頃、とある雑誌の「友達の輪」というリレーコラムで、あなたは「次」に私を指名しました。私にバトンタッチしたそのコラムであなたが書いていたのは「映画の脚本をお書きになったらいいんじゃないですか」という文章。だからそのうち、あなたから脚本の依頼が来ると思っていたんです。けれど、待てども来ない。私に依頼していれば、今のような停滞はなかったんじゃないかしら。

 引退作はぜひ、私に脚本を書かせてほしい。「こんな小百合を観たかったんだ」という作品で有終の美を飾り、スパッと引退してほしい。あなたは「人生二度結婚説」を公言していましたよね。もう夫には十分尽くしたんですし。だからその後は若い男と手に手を取って、駆け落ちのようなことをして、あとは杳として行方が知れない‥‥というふうになってほしい。

 それが、ファンが願っていること。私からの最後のお願い、エールです。

〈かしこ〉

中平まみ(作家)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年09月13日 11:15

    近年のネット環境の充実によって、高い売り上げを誇る公営ギャンブル。メディアを下支えする団体としても大きな役割を担っているが、最近は風向きが変わり始めている。ギャンブルライターが現状を語る。「日本の公営ギャンブルは競馬(中央・地方)、競輪、ボ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    芸能
    2026年09月14日 13:30

    8カ月ぶりに帰ってきたバス旅で最も存在感を放ったのは、看板を背負う太川陽介ではなかった。「路線バスで鬼ごっこ~太川陽介から逃げ切れ~【茨城・水戸】」(テレビ東京系)が、9月12日午後6時30分から放送された。鬼チームは太川陽介、草薙航基、村...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク