芸能

天才テリー伊藤対談「小松政夫」(4)大好きな小松さんが元気でうれしい

テリー 僕、小松さんの大ファンだから、出演されているドラマもよく観てるんですけど、話題になった「やすらぎの郷」、セリフも長くて大変だったんじゃないですか?

小松 そうですね。板前の役で、包丁で刺身を切りながらの演技ですから。もっとも、板前の役は同じ倉本(聰)先生の「前略おふくろ様」の時にもやらせてもらいましたけど。

テリー そうですよね。僕、「前略」も大好きで、DVD全部持ってます。倉本さんは、どんな方なんですか?

小松 倉本先生は本読みの時に、ご自分で立ち会われる方ですね。普通、それは演出家の仕事ですけど、倉本先生は全部ご自分がやられる。で、本読みの前に、「セリフはリングですから、パッパッパッとつながっていかないと。基本的に私の台本は、それだけで完成されております」と、そこまで言い切りますから。

テリー 怖いなぁ(笑)。

小松 で、例えば、「あちゃー、あちゃー、それはないっスよ」ってセリフがあったとしますよね。それを自分なりに「あちゃー、それはないっスよ」に変えたりすると、「『あちゃー』って何回書いてありますか。もう1回読んでください」って言われるんです。

テリー ああ、完成されたセリフだから勝手に変更したらダメなんだ。

小松 そうなんですよ。その点、古澤監督なんかスピードだけあればいいっていうタイプですから(笑)。全然違いますよね。

テリー 2人とも天才ですけど、まったく違うタイプなんでしょうね。どちらともお仕事できたのは、貴重な体験だったんじゃないですか。

小松 間違いなくそうですね。なかなか見られない光景を見させてもらったな、という感じがします。

テリー それが小松さんの役者としての財産になりましたよね。今後も、役者としての活動が中心になるんですか?

小松 そうですね。でも、元は喜劇役者ですから、人を笑わせることをもっとやっていきたいと思っているんですよ。今度、「帰ってきたマサ坊演芸会」という舞台を博多でやることになりまして。

テリー へえ、どういう舞台なんですか?

小松 もともと私の家は博多でお菓子屋をやっていたんですよ。家の目の前は戦後の焼け跡の原っぱで、そこへ大道芸だとか、毛布売り、茶わん売り、ヘビの薬売り、バナナの叩き売りの人たちなんかがいっぱい来て、うちでラムネを飲んだりしてたんです。そういう人たちを見ているうちに、私も芸を全部暗記してしまった。それで時々、友達を集めて「マサ坊演芸会」っていうのをやっていたんですね。

テリー やっぱり観察力が高いんだな。淀川長治さんのモノマネなんかに通じるものがありますよね。

小松 ありがとうございます。だから、その「マサ坊演芸会」が私の喜劇役者としての入り口だったなと思い、故郷でもう一度やってみようと考えたんですよ。自分の原点に立ち返るような、楽しい舞台にしたいと思っています。

テリー 大好きな小松さんがこんなにお元気だと、僕もうれしくなってきます。ますますのご活躍、期待しています!

◆テリーからひと言

 お会いするたびに聞かせていただくお話が、いつも本当に楽しいんだよね。いつまでも植木等さんの語りべとして、その魅力を伝えていってください。

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