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記事全文を読む→ビートたけしの名言集「どうすんだ台風? 飛行機飛ぶのか?」
9月1日、午後8時少し前。赤坂にある某テレビ局で殿不在の楽屋には、重苦しい空気が立ちこめていました。その原因は、今年最大と言われた台風21号の進路が「たけし単独ライブinくまもと」開催当日の9月4日、東京から飛行機で熊本入りする殿のスケジュールとドンピシャで合うように本州上陸が予想され、飛行機が飛ばず、殿が熊本へたどり着けない恐れが出てきたからでした。
もちろん、殿が来なければライブは中止。で、空路をあきらめ、新幹線で当日向かうにしても、熊本までの7時間の移動中、やはり悪天候で止まってしまえばその時点でアウト。とにかく、ライブ3日前にして、“かなりやばい事態”が勃発していました。
で、ライブスタッフと協議した結果、当日、殿がたどり着けず“急遽ライブ中止”といった事態は、チケットを購入しているファンに対してあまりにも失礼なため、中止するならするで、できるだけ早く中止のアナウンスを流すべきだと判断して、その決断は、これから楽屋にやって来る殿にまかせようとなったのです。
そして午後8時半、いたって明るい表情で楽屋へ到着された殿は、わたくしの顔を見るなり、
「おい、どうすんだ台風? 当日、飛行機飛ぶのかこれ?」
と、こちらが懸念してる案件をすぐさま放り込んできたのです。「殿、今のところ、台風のコースが当日にドンピシャで、本州上陸らしいので、やばいですね」と、もじもじしながらお答えすると、殿は即答ぎみに、
「そうなると、あれか? 月曜の夜から行って、前乗りしかねーか。(マネージャーに)おい、月曜の昼のテレビ、俺、何時終わりだ?」
と、確認を急がせたのです。すると、レギュラー番組である3日、月曜日のテレビ収録が、奇跡的にいつもより1時間程早く終わると判明。もうそこから先は、ライブの前日、最終便で九州へ上陸するスケジュールを殿が早々と指示、確定したのでした。
この時、「殿、そうなると、前日とライブ当日で2泊することになりますが、体力的に大丈夫ですか?」と、失礼ながら、今年71歳になる殿を心配して、つい口にすると、
「何言ってやがんだ! チケットも売れてお客も待ってんだから、行くに決まってんだろ。待ってくれてる客がいるなんて、芸人にとっちゃ、これほどありがたいことはないんだから、やるに決まってんだろ」
と、さらりと述べたのです。そして、
「だけど飛行機が落ちて、それで終わりだったりしてな。まーそれもそれでいいか」
と続けたのでした。チケットを手に持ち、ワクワクしているファンの気持ちになり代わり、言わせてください。殿、熊本前乗り、恐れ入ります! ただ、この原稿はライブ2日前に書いているため、実際のところ、“たけしライブ無事開催”までゴールできたかどうか。とにかく、殿と同行して、火の国へ向かってみます!
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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