スポーツ

誰もやらなかった広島カープ「脱常識メソッド」(3)他球団はなぜマネしないのか

 広島の強みは経営面だけではない。ベテラン番記者が語る。

「今年は野間峻祥(25)やフランスア(25)らがブレイクしましたが、ここ数年のカープは必ず数人の若手が重要な戦力に浮上する。伝統的に練習のキツさは球界屈指ですが、ムダな練習は一切ない。科学的な意味も根拠もある練習なので、若手選手はちゃんとついていけるんです。それに首脳陣の連携がちゃんと取れているため、下(2軍)で結果を残せば必ず上(1軍)で使ってもらえる。だからモチベーションも高まるんです」

 伸びる素材を見つけ出すためのスカウティングも独自路線だ。迫氏によれば、

「『スカウトの個性を生かす』という球団の考えで、1地域に担当を1人だけ配置し、他球団では常識の、1人の選手を複数で見る“クロスチェック”をしないのだそうです。例えば17年に15勝を挙げた薮田和樹(26)は、大学時代に2試合しか登板していません。総合的な判断では獲りづらい選手でも、スカウトが才能を見込めば上位指名できるのです」

 中心選手のほとんどが20代の広島を見ると、他球団がなぜこのやり方をマネしないのか不思議に思うほどである。少なくとも高齢化著しい巨人や阪神は、参考にしたほうがいいだろう。

 当然ながら3連覇の偉業においては中堅、ベテラン選手の活躍も忘れてはいけない。特に昨季のリーグMVPに輝いた丸は、ケガによる欠場期間こそあったものの、39本塁打、97打点は自己最高で、2年連続でMVPとの声も少なくない。

「丸はとにかくストイックで、ここ数年は酒も飲まず、大好きな麻雀も断った禁欲生活を送っています。名前のとおり、やや丸顔なのでそうは見えないですが、実はボディビル選手かと思うほどのムキムキ。自分を極限まで追い込むトレーニングを見て、鈴木が『丸さんみたいになりたい』と公言するなど、若手の模範になっている。今季の大爆発も、培ってきた技術と鍛え上げた肉体のたまものでしょう」(ベテラン番記者)

 また、先に名前が挙がった野間のブレイクを助けたのは、今年限りで現役を引退する新井貴浩(41)だった。

「新井は野間が伸び悩んでいた理由を能力面ではなく、なかなか前に出られない性格面にあると見抜き、今季は事あるごとに『みんな野間さんについていくだけ』『野間さんがいいコメントしてくれるから』とイジり倒した。すると、本当にプレーにも積極性が出てきて、開花したんです。どんなチームも大なり小なり派閥はできるものですが、新井のおかげもあって広島は今、本当にチーム内が一丸になっている。間違いなくこれも強さの一因ですよ」(ベテラン番記者)

 常識では考えられない球場、経営陣、選手がそろった広島が、この先も黄金時代を築き上げていくか──。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身