セ・リーグで首位争いを繰り広げつつ、6月3日開幕のセ・パ交流戦へ、この勢いを維持したい広島カープに、水を差しているモノがある。5月28日発売の「週刊ベースボール」広島特集号「遮二無二 挑む頂点」だ。広島の躍進と、優勝へ向けての後押しをする内容なのに、何が問題なのか。それは「苦い過去」があるからだった。
というのも、同誌の「目指せ!6年ぶり19度目のV 広島燃ゆ」号が刊行された昨年9月、カープは4勝16敗と大失速し、優勝を目前にしながら、まさかのBクラスに転落。いわゆる「週ベの呪い」である。ファンの間に「嫌な予感」が走るのは当然なのである。
実はこうした「勝負号」のジンクスは、新井貴浩監督の現役時代にも起きていた。2008年に「日刊スポーツ」が「Vやねん!タイガース 08激闘セ・リーグ優勝目前号」を刊行した直後、巨人に逆転Vを許し、「死亡フラグ」の代名詞となった。二度も呪いにかかった新井監督の不運たるや…。
広島は交流戦を「鬼門」としている。開始以来、昨年までの通算成績は176勝235敗15分、勝率4割2分8厘で12球団最下位。今年はドラフト1位の佐々木泰やファビアンら新戦力の台頭と、昨年の失速から磨いた修正力を合わせ、負の連鎖を断ち切ることができるか。
交流戦では最低でも勝ち越して、「週ベの呪い」を一掃したいところだ。
(ケン高田)