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記事全文を読む→新春「大開運」講座<亥年にお参りしたい「神社&寺院」>(2)何人にも見えない神の使い
清麻呂が神ならば、猪は神の使いとして人々に御利益を運んでくるということになる。同じように、神使として猪が登場する信仰がある。仏神の摩利支天信仰だ。これが、本田氏の言う「二つめの猪にまつわる仏閣」である。日本では戦国武将が信仰したことで知られ、戦いの神というイメージのある摩利支天だが、
「ルーツは威光、陽炎の神とされる古代インドのマーリーチーで、何人も見ることができない神なのです。敵から見えない神、そして猪にある勇猛で迅速なイメージから戦国武将が勝利を祈願する対象になったとみられます。その摩利支天は『猪車に乗る』と伝えられ、猪は仏と人をつなぐ使いと信じられているのです」(本田氏)
戦国の世から平和な江戸時代になると、摩利支天は商売人からの信仰を集める。京都にある健仁寺の塔頭である禅居庵には、秘仏本尊の摩利支天がある。
「付近には古めかしい石柱が建っていて、京都の商人が多額のお布施をしたことが書いてあります。戦いの勝利守護神から転じて商売の成功をもたらすと解釈された面もあるのか、信仰の脈略ですから何とも言えない部分もありますが、何より霊験が迅速であるされたことから、商人からも信仰を集めることになったのでしょう」(本田氏)
“イノシシ寺”は点在しており、スポーツなどの勝利祈願の寺としても人気を集めている。猪突猛進ではないが、勝利を求める現代人にとって、猪は勝負運を最強にしてくれるシンボルとなっている。あとは本来の「亥年」の意味を知れば完璧だ。本田氏がこう解説する。
「『亥』という字は、草木の生命力が種に閉じ込められた状態を表しています。そして、十二支の最後であり、亥年は陰の極まった年回りとも言われます。ただ、それは陽と隣接した年でもあるのです。陽に最も近くで、種のように生命力を内に蓄える。そんな年であると意識しながら初詣をするのもいいのでは‥‥」
由緒まで理解したところで、“霊猪”巡りにさっそく出かけよう!
■霊猪ゆかりの「神社&寺院」
護王神社(京都市上京区):明治時代に御所の守護神として高雄山神護寺より蛤御門付近に遷されて創建された
愛宕神社(京都市右京区):和気清麻呂が創建した。絵馬などの授与品には神使の猪や猪に乗った天狗像が描かれる
馬見岡綿向神社(滋賀県日野町):神使の猪に導かれて神託が下された伝承がある。亥年に猪の焼き印を押した絵馬を頒布
和気神社(岡山県和気町):和気氏の発祥の地にある。境内には狛猪があり、足腰の神、子供の守り神として知られる
御祖神社(北九州市小倉北区):和気清麻呂が脚を癒やした霊泉にほど近く、現在では健脚健康の神として知られる
護皇神社(大分県宇佐市):宇佐神宮の末社として境内東側の大尾山に鎮座する和気清麻呂を祀る神社
摩利支天徳大寺(台東区上野):日本三大摩利支天の一つ。亥の日を縁日とする。スポーツの必勝祈願などで知られる
長久寺(埼玉県坂戸市):境内に猪にまたがる勝軍地蔵が祀られている。両手に手綱を取る珍しい姿をしている
宝泉寺(石川県金沢市):日本三大摩利支天の一つ。前田利家の守護本尊を祀る。毎月1日を縁日としている
禅居庵(京都市東山区):建仁寺の塔頭寺院。日本三大摩利支天の一つ。開運勝利おみくじが人気である
聴松院(京都市上京区):南禅寺の塔頭寺院。摩利支天堂に狛猪が安置されている。亥年の守り神となっている
先山千光寺(兵庫県洲本市):大猪に化身した観音菩薩に導かれた狩人が開基した。境内に神使の猪像がある
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