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【8】古墳周辺の景観が現在のようになったのはいつからか?
「仁徳天皇陵」の周囲はこんもりとした森に覆われ神秘的な印象を与えているが、現在のように木が生い茂ったのは明治以降のこと。
「それまでは低い笹などが周囲に生えている程度で、近所の住民が花見を楽しんだり、祭りをしたりしていました」(今尾氏)
ところが、明治以降、「天皇を神格化したい」という国の方針から陵墓を宮内庁が管理し、一般の立ち入りを禁止するようになった。その際、地元の有力者に寄付を募って植樹し、ヨーロッパ的デザインの「神秘的な森」を造ったという。
【9】なぜ住宅地に囲まれているのか?
堺市では、第二次大戦後の復興期に百舌鳥古墳群周辺を皮切りに、区画整理による住宅地開発が行われ、市街化が進んだ。その際に多くの古墳が相次いで消滅。さすがに、仁徳天皇陵の消滅は免れたが、住宅地の中に取り残される格好となり、現在に至っているのだ。
【10】世界遺産登録の意義と課題は?
まず今尾氏は意義についてこう話す。
「第二次大戦前までは、百舌鳥・古市古墳群にはそれぞれ100基ほどの古墳がありましたが、戦後、開発の名目で約半数が“破壊”された。世界遺産に登録されることで、陵墓単体ではなく古墳群という広い範囲でひとまず保護されることになったのは大きな意義がある」
一方で、議論すべき問題も少なくないと指摘する。
「前述した名称の問題もそうですが、周辺住宅地への対応も必要です。古墳を本格調査するためには、周辺の採掘も不可欠。自治体が買い取り交渉を積極的に進めていくことなども必要になってくる」
世界遺産登録を機に、市街化と遺産保護をどう両立させていくか、が今後の課題となりそうだ。
アサ芸チョイス
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