社会
Posted on 2013年05月15日 09:58

直近大地震「次の震源地」(2)富士山噴火と巨大地震の連動

2013年05月15日 09:58

 噴火には多くのタイプが存在する。富士山は歴史上、さまざまなタイプの噴火を起こしている。その中でも、最も甚大な被害をもたらすのが、「山体崩壊」である。山の形状が変化し、岩なだれを起こす。静岡県の防災会議の試算によれば約40万人が被災するという。

 山梨大学大学院教授で同大学地域防災・マネジメント研究センター長を務める鈴木猛康氏が話す。

「噴火のタイプは火山口までマグマが上昇してこないとわからないのが実情です。しかし、マグマが地表に向かって動きだせば、斜面に変状が現れます。したがって、富士山噴火は事前にわかりますから、その間に避難すれば人的被害は最小限になり、死者を出さないで済むでしょう。山梨、静岡、神奈川3県の連携、ハザードマップの見直しなど、行政側の活動は活発化しています。今後は、住民や観光客への確実な情報伝達手段の複数確保、具体的な避難ルートや避難場所の確保などが必要です」

 しかし、備えなければならないのは噴火だけではない。過去に富士山噴火の前後には巨大地震が発生しているためだ。

「記録が残っているものだけで、富士山噴火と巨大地震が連動したとされるケースは2回あります。864年の貞観大噴火では、5年後に東北地方太平洋沖で貞観地震という巨大地震が発生。この地震で富士五湖や青木ヶ原が形成されました。また、1707年の宝永大噴火の49日前には遠州灘沖から紀伊半島沖を震源とした宝永地震という巨大地震が発生しており、多くの死者が出ています」(前出・木村氏)

 すでに東日本大震災が起きたのだから、と安心するのはまだ早い。貞観大噴火と連動した巨大地震は1回だけではない。887年に仁和地震というM8.5クラスの巨大地震が発生しているのだ。その震源地は宝永地震と同様に、いわゆる南海トラフと見られている。

 南海トラフとは、静岡県の駿河湾から九州東方沖まで続く深さ4000メートルの海底のくぼみである。このくぼみ(トラフ)は海側のプレート(岩盤)が陸側のプレートの下に沈み込んでおり、400年前からM7~8クラスの地震が繰り返し起きているのだ。

 その震源域は東海地震、東南海地震、南海地震と3つに分類されている。

「歴史的に見れば、3つの震源域のいずれか単独で地震が発生するケースより、3つの震源域での地震が連動するケースのほうが可能性としては高い。特に、東日本大震災と同様な地震であった貞観地震のあとに、恐らく3連動であろう仁和地震が発生したことを考えると、次も3連動型の巨大地震と考えて備えるべきです」(前出・鈴木氏)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク