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記事全文を読む→藤岡弘、の「珈琲道」(2)エチオピアの酋長がお辞儀
珈琲を初めて飲んだのは中学生ぐらいかな。映画三昧の日々で、映画を見るためにアルバイトしてましたね。
そして映画に出てくる俳優が飲んでいる珈琲に憧れた。だから、マネして喫茶店に行きましたね。一口目はブラックで飲みましたよ。正直、ピンとこなくてね(笑)。残りは苦いから砂糖を入れて飲みました。
当時は、若すぎて味を楽しむ余裕はなかった。でも、香りのすばらしさだけはわかったなぁ。映画の主人公になった気分は味わえましたよ。50年以上前だから、珈琲は高級品でね。バイトで稼いだお金で珈琲を飲むなんてことは、自分にとっては勇気のいることでした。
「仮面ライダー」や「特捜最前線」に出演していた頃もまだ、徹夜とかハードな仕事が多くて「眠気覚まし」という認識しかなく、珈琲の深さにまでは到達していなかった。
実は、私が珈琲にこだわるようになった一番のきっかけは、「藤岡弘、探検隊」のエチオピアロケ(04年1月2日放送)でした。
部族の酋長にスタッフ全員、竹でできた応接室に招かれたんです。
部族の集落の周りには珈琲の木がいっぱい植えてありました。そこから、豆を摘んで酋長の娘が水で洗い、目の前で火を使って炒り始めたんですよ。
日本から来た我々への最大のもてなしだったんですね。日本でいう茶室みたいなものでしょう。
プァ~ッと、珈琲のいい香りが部屋中に広がりましてね。炒り終わると、その炒りたての熱々の、湯気が立ってる珈琲豆を小さい皿に移して、酋長がこう言うんです。
「これを食べてみろ」
「えっ、珈琲豆を食べるのか?」
驚きましたが、勧められるまま、口の中に放り込みました。
表面はパリパリ。かむと「カシュ~ッ」という音と同時に珈琲の香りが一瞬のうちに口の中、全体に行き届きました。
「口の中で味わう香り」という感じでおいしかった。感動ですよ。
その炒りたての豆を、ウサギが月で餅をつく杵と臼のような形をした道具で砕くんです。
その間、珈琲に集中せざるをえない状況、みんな陶酔状態ですよ。この間はお茶と同じ。日本文化に似てるなと思いましたね。
そういえば、この酋長、会うなり、お辞儀をしてきたんですね。私は世界中回っていますが、日本と同じ頭を下げる挨拶をしたのはエチオピアの酋長だけです。
肝心の珈琲ですが、実に野性的な淹れ方で一切、こさない。原液をそのまんま、煮出した豆ごと器に注ぐんです。
当然、口の中には、ザラザラした豆の粒やオリなども一緒に入ってくる。でも、それがいいんですよ。味はものすごく濃厚。大地の自然そのものをいただいてるという感じでね。
古来からの伝統的な珈琲の淹れ方を体感できたのは、本当に貴重な体験でしたね。
アサ芸チョイス
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