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記事全文を読む→日本IBM“地獄の仕打ち”を元社員が告白(2)解雇予告通知書を淡々と読み上げた
松木氏が入社したのは00年。滋賀県にある野洲研究所に配属された。
「私は最初、パソコンの『積層基板』の研究開発を行っていました。でも、会社はしだいにモノ作りからサービスを重視するように変わっていった。研究所だけでなく積層基板部門全体が03年に京セラグループに売却された。一種の部門切りですね。半導体部門やHDD部門は強制転籍でしたが、積層基板部門の売却の際は同意を取る形式となり、私は同意せずIBMに残ったのです。やがて、メイテックという技術系の人材派遣会社に出向となり、そこからさらに別の会社に出向しました。そこで2年くらい勤務したあとIBMに戻ったところ、自分がいた部門はなく、そのあとはサービスエンジニアとして細々としたことをやっていました。でも、6年くらいたった頃、業績不良を理由に解雇されたんです」(松木氏)
終業時間間際になってマネジャーから呼び出され、突きつけられたのが「解雇予告通知および解雇理由証明書」だった。下手な行動を取ると、業務命令違反と言われかねないので、注意深く聞いていた。
「貴殿は業績が低い状態が続いており、その間、会社はさまざまな改善機会の提供やその支援を試みたにもかかわらず業績の改善がなされず、会社はもはやこの状態を放っておくことができないと判断しました」
解雇予告通知書を読み上げながら、まず会社側は、こう断言。茫然とする松木氏にかまわず、文書後半のただし書き部分まで淡々と読み上げた。
「郵送もしくは持参にて貴殿が添付書式にてみずから退職する意思を示した場合はこれを受理し、解雇を撤回したうえで、貴殿の自己都合退職を認める考えです。この場合、退職加算金や、会社の費用負担で再就職支援会社のサポートを受けられるオプションも用意する考えです」
そして、私物を整理して午後5時36分までに退社するよう告げたというのだ。
「以前から、『課で働く非正規社員は偽装請負ではないか』『メイテックへ出向し、派遣先で働いたのは二重派遣に当たらないか』『上司の言動はパワハラに当たるのではないか』などと言っていたので、目をつけられていたのかもしれません。それにしても、こんなことがまかり通ったら、とんでもないことになる。幸い、私は独り身で、1人なら何とか生活できると判断して裁判で闘うことにしたんです」(松木氏)
日本IBMは08年、業務改善プログラムを名目に1500人を退職勧奨に応じさせた。その結果、11年には940億円という未曾有の経常利益を上げている。本来ならリストラなどできないはずなのだが、「コストカッター」の異名を取るマーティン・イエッター氏が昨年5月に新社長に就任すると、指名解雇が始まったというのである。
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