エンタメ

藤井聡太 誰も語らなかった「7大極秘ファイル」初公開(4)「前のめり」克服で絶好調

 藤井といえば、ルーティンも欠かせない。デビュー直後には、将棋会館近くの中華料理店から注文する「勝負めし」が注目されてきたが、最近になって【5】「スーツにスニーカーの新ルーティンだ」と評判になっているのだ。

「藤井クンといえば、対局前の日課としてお茶を飲むシーンがしばしばキャッチされていますが、対局のファッションにもルーティンを採用している。直近のタイトル戦二局では着物姿を披露したことが話題になったが、棋聖戦一局目はいつもどおりのスーツ姿で登場。慣れない所作や着崩れのリスクを懸念しての対応だったようだが、対局後の会見ではその足元に注目が集まりました。というのもオーダーメイドのスーツ姿でしたが、革靴ではなく、フランスのブランド『パトリック』の黒いスニーカーを履いていたんです。デビュー2年目から履いている靴で、これまでもインタビューなどの立ち姿で何度も確認されてきた靴でした。愛着のある靴を履くことで、大事なタイトル戦の初陣を落とすまいとする願掛けの意味を込めたのかもしれません」(将棋関係者)

 藤井のみならず棋士はとかく「ゲン担ぎ」やルーティンにこだわるが、指し手にこだわらないのが、藤井の強さの源泉といっても過言ではない。大橋六段によれば、

【6】序盤研究のバリエーションの多さは、他のプロ棋士と比べても突出しています。対局がスタートする駒組の段階に先手・後手でそれぞれ一つずつ得意な戦法を用意することが多いと思います。ただし、藤井七段はそれぞれ3~4パターン持っていて戦術が幅広い。そのため、相手によって柔軟な戦術を取ることができます。そうなると対戦する相手は対局前の事前準備にかなりの時間を割くことになります」

 藤井の戦術の多さは対局相手の知るところ。この事前の情報戦もまた藤井のアドバンテージになっているようなのだ。さらに中盤・終盤でも先のような変幻自在の指し手で相手を翻弄する。大橋六段も証言する。

「中盤は具体的な指し手が定まっていない難しい局面になります。この駒組から戦いに切り替わる場面では天文学的な数字の読みを行っていると思います。決して直感ではない根拠のある論理的な指し口でリードを広げていきます。終盤に持ち時間が少なくなるのは序盤・中盤の未知の局面に時間を要しているからなのです」

 さらに藤井が「怪物」と呼ばれるゆえんは他にもある。【7】どんな局面にも動じないポーカーフェイスこそ、ベテラン棋士をも圧倒する雰囲気を漂わせることになるという。

「プロ昇格前の三段リーグでの初対局の頃から今のスタイルが確立されていました。プロ棋士でも難しい局面になると頭をかいたり、首をかしげたり、ボヤいたりするものです。藤井七段はずっと頭をフル回転させている様子で、表情からは何も読み取れません。多少の形勢のよしあしでは表情が変わりませんからね」(大橋六段)

 唯一、対局中に熟考する際には、上半身を前後に揺らす癖があるが、

「あまりにも前のめりに揺れるので盤面に後頭部が映るシーンが多かった。ただ、タイトル戦ではカメラに頭を抜かれることも少なかったので、癖を克服したのかもしれません」(将棋ウオッチャー)

 もはや弱点はないのだろうか。

「私が対局した6月10日の王座戦の予選でも序盤・中盤とリードされていて、藤井七段の勝ちパターンでした。ただ、一手だけ悪手を指されたことで形勢が逆転して私が勝利することができました。ミスでも飛び出さないと勝つことが厳しいくらい強いんです」(大橋六段)

 将棋界ではトップクラスともなれば、一手のミスが致命傷になる世界。9日の棋聖戦第三局でも「新局面」が生まれるに違いない。

(アサヒ芸能7月16日号に掲載)

カテゴリー: エンタメ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
楽天・田中将大に「不可解な動き」次回登板のメドなしで「無期限2軍」の不穏
2
水原一平が訴追されて大谷翔平の「次なる問題」は真美子夫人の「語学力アップ」
3
「すごく迷惑ですね」沖縄せんべろ居酒屋店員が嘆く「招かれざる客」のやりたい放題【2024年3月BEST】
4
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」【2024年3月BEST】
5
訪米の岸田首相を招いた晩餐会で「なぜか黒ネクタイ姿」バイデン大統領の「笑えない話」