芸能

古舘伊知郎、「トーキングブルース」を復活させるまでの経緯を語る!

テリー そのローマンルーム法って昔からあるの?

古舘 少なくとも何十年か前からはありますね。ホテルオークラの有名なドアマンの方もやってるんですよ。

テリー あ、そうなんだ。

古舘 その人は、政治家とか財界の偉い方がオークラの本館に来て車から降りる時に、すぐ「田中様」とか「西村大臣様」とか言わなきゃいけない。そういう時、顔じゃダメなんです。乗ってる車の色やフォルム、ナンバープレートとかを脳に焼き付けて、降りる前に「渡辺様」ってドアを開けないと。もう脳内に車込みの写真が入ってるんですよ。

テリー すごいなぁ。古舘さんは2時間以上のトークライブで、その写真を何枚ぐらい用意しとくの?

古舘 そうですね、5枚ぐらい。1枚の写真に5要素ずつ入れると、5×5の25要素ですから、2時間ぐらい大丈夫なんですよ。

テリー いや、古舘さん、ほんとにすごいな。そんなことやってる人って他にいるかな。

古舘 日本ではあまりスタンドアップって定着していないから。一部には、いるんだけど。落語でも講談でも浪花節語りでもなく、立ちでマイク1本でという形式は少ないですよね。

テリー そうだよねぇ。だから古舘さんがこの「トーキングブルース」を続けていかないと。

古舘 04年に「報道ステーション」が始まってからはいったん休止したんですけど、88年から16年間ずっと続けてたんですよ。14年に六本木の「EXシアター」で1回だけ復活させましたけど。その時は古舘プロジェクト創設30周年記念、報ステ10周年記念とか、そういう節目で。

テリー 報ステを辞めてからはやってなかったの?

古舘 「戯言」というタイトルで、150人入ったらいっぱいになるようなライブハウスで、トーキング的なライブはやってたんです。それを経て、今回はもう一度「トーキングブルース」を復活させようと。

テリー また、この年でやるのは違う意味がありますよね。

古舘 そう思います。なまじ「ブルース」という名前が付いてるから、えらい宿題もらっちゃったなと思うんだけど。やっぱり悲しみ、ブルースというのは、人間が生きるうえで基本だと思うんですよ。ご存じのように、黒人の死体が木に吊るされた「奇妙な果実」をビリー・ホリデイが歌って。

テリー アメリカは最近も黒人が白人警官に殺されて、大問題になってますよね。

古舘 そういう人間の残酷さから来る悲しみもあれば、ふだん生きてるうえでの小さな「悲しみ」や「哀しみ」もあったり。それをあんまりセンチメンタルにならず、ちょい悲しいことはコミカルに、おもしろいことの中にも悲しみは潜んでるし。そういうことを少しずつひっくり返しながら、悲しみの裏側のおもしろさみたいなものを話していくと、どういうふうに聞いてくれるんだろうということもやりたいし。それは30代ぐらいの時にはなかなかね、そこまで真っ向勝負できなかったから。

テリー 今回ね、配信だから座席がなくなることもなく、誰でも見れるじゃないですか。これは多くの人に見てもらえるチャンスでもありますよね。

古舘 そうですね、僕自身も初体験でどうなるかわからないので、非常に楽しみにしてます。

(アサヒ芸能8月13・20日合併号「天才テリー伊藤対談」=2=)

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