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記事全文を読む→“王の55号呪縛”ワルあがき大暴論(2)ビリのチームのホームランは価値がない
今回の事態を王氏の全盛期を知る巨人ファンたちは、野村氏同様、悔しさを込めて率直に語るのか。それとも、張本氏のように寛容な態度でいるのだろうか。
毎年、キャンプ地に視察に行くほどの“G党”で知られる落語家のヨネスケが話す。
「1964年(昭和39年)、忘れもしない、あれは私が高校1年生の時ですよ。世間では東京オリンピックの年と認識されているけど、私に言わせれば、王さんの年なんですよ。何ていっても、55本のホームランの日本記録を達成したんですからね。その1本1本を鮮明に覚えていますよ。例えば、5月3日、場所は後楽園球場、対阪神戦、王さんは4打席連続で‥‥」
熱い口調で話し続けるヨネスケ氏だが、バレンティンも今年6月に2死四球を挟むものの、4打席連続本塁打を記録している。
「バレ‥‥? いや、バレンタインだか、バレンティーノだか知らないけど、ちっとも興味がない!『55本』と言ったら、私らの世代は王さんなんですよ。王さんの記録は何時間でも語れるけど、バレンティンは語るべき対象ですらない。メジャーでもバリー・ボンズが73本打ったけど、その後はドーピング疑惑が持ち上がって、その記録に触れなくなっている。バレンティンも一緒ですよ。『どうせ、去年より飛ぶボールだったんだろう』と語られてしまうんですよ。喜んでいるのは、ボールを採用したコミッショナーぐらいなもんでしょう。『今年はバレンティンのおかげで盛り上がった』とね。記録更新なんて言ってないで、いっそのこと100本ぐらい打ってくれたほうがスッキリしますよ」(ヨネスケ)
負け惜しみにも聞こえなくはないが、これが偽りない巨人ファンの本音でもあるようだ。
王氏と同世代であり、長らく巨人を応援してきたタレントの毒蝮三太夫もこう話すのだ。
「もちろん、妙な敬遠なんかせずに、対戦投手は正々堂々と勝負して、それでも打たれてしまったというなら、これはしかたがない。残り試合数から言っても、バレンティンが王さんの記録を抜くでしょう。でもね、それはあくまで数字上の話でしかない。ホームランの質を比べたら、王さんのほうが上でしょう。常に勝利が求められる巨人で打った55本と最下位のチームで打った55本では意味が違う。悪いけど、記録は塗り替えられても、我々の記憶を塗り替えることはできませんよ」
王氏が日本記録を樹立した64年の巨人は3位に終わっている。しかし、優勝した阪神が9連勝でシーズン最終日に優勝を決めたことを考えれば、巨人は終盤まで優勝争いをしていたことは間違いないだろう。
親子2代で「巨人愛」を貫くキャスターの徳光正行氏がこう続ける。
「王さんの記録樹立の前年は巨人が優勝しています。当然、各チームはエース級の投手を巨人にぶつけてきた。金田、村山、稲川‥‥。そうした好投手から打ったホームランなんです。現在はクライマックスシリーズがあるとはいえ、3位以下が勝率5割を切っている中で、最下位のヤクルトにエース級の投手をぶつけてきますか? バレンティンの56本目がエースから放ったホームランなら納得しますが、このままではビリのチームのホームランは価値がないと言わざるをえないのでは‥‥」
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