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記事全文を読む→角川春樹 映画「みをつくし料理帖」撮影時に怒ったのは2回
テリー じゃあ、今回は現場で怒るようなこともなく。
角川 そうですね、今回は2回だけ。
テリー あったんだ(笑)。
角川 いや、もうね、やっぱり現場では信じられないことが起こるんだよ。例えばね、(机の上の映画のチラシを指さして)この、野江のかんざしが見えるシーンね。
テリー 野江と澪が再会する重要なシーンですよ。
角川 これ、かんざしを左右逆に挿しちゃうと、かんざしだけが撮れないのに、助監督が逆に挿しちゃうとかね。で、全部撮り終わって、もう解散ってなった時に、「あれ、逆じゃないんですか」って言い始めて、「えーっ!」って。
テリー 今さら言うなよって。でも、意外とそういう単純なミスって見落とすんですよね。
角川 それから、これも助監督なんだけれども、まだ撮る予定だったのに、勝手に解釈して、出演者を「お疲れ様です」って帰しちゃったり。私はまだ撮る予定だったんですよ。で、「さぁ、撮ろう」っていう時に、「いや、もうみんなバラしました」「えっ、まだ終わってねぇよ」って。
テリー アハハハ!
角川 最後につる家のシーンがあったでしょ。澪が駆け込んできて、芳(若村麻由美)に抱きついて泣くシーン。あれを撮ろうと思ったら、役者を帰しちゃってるんですよ。「お前、(前のシーンと)つながんねぇだろ」って。
テリー いや監督、それは怒っていいです。
角川 それで慌てて呼びに行かせたんだけど、もう女優なんかヅラも外して、すっぴんでね。時代劇はメイクに1時間半とか2時間かかるんですよ。
テリー うわぁ。
角川 石坂さんなんて、もう車に乗ってたところを呼び戻して。当時、石坂さんはドラマのレギュラーがあったから、こっちは水・木しかスケジュールがないわけ。そこで石坂さんに帰られちゃうとそのシーンが来週まで撮れない。だから「おいおい、映画にならないよ」って。その2回でしたね、怒ったのは。
テリー これ、撮影期間はどれぐらいだったんですか。
角川 21日間。
テリー あ、3週間しかないんだ。それでもし1週間もロスしたら致命的ですね。
角川 うん。しかもセットでの撮影は、セットを作り始めて壊しまで入れると10日ないとかね。
テリー あぁ、時代劇にはそういうのもあるのか。
角川 そう。セットでの撮影以外は日光の江戸村で撮ったんだけど、今度は外になると天候という問題があるわけだ。当然、雨が降ったら撮れないシーンもある。それでも撮影期間は決まっていて、「いつまでに終わってくれ」と。
テリー 角川さんだったら、「もっと撮らせろ」とか、金使って解決するとか、そんなイメージがあるんですけど、意外とちゃんと映画会社の言うこと聞いて、真面目にやったんですね。
角川 うん、やった(笑)。だけど、天候にはマジックをかけたよ。
テリー なんですか、マジックって。
角川 助監督が「明日から1週間雨です」と言ってくるから、「いや、大丈夫だから。任せなさい」って、毎日空を見上げて「雨が降らない」というマジックをかけるわけだ。
テリー さすが。それで晴れましたか。
角川 もちろん。毎日晴れさせたよ。
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