芸能

ビートたけしの名言集「コロナ禍の昨年に交わした殿とのやり取り」

 昨年は、誰にとってもまったくの想定外な、大変な1年だったのではないでしょうか。それはわたくしも一緒で、何をしていても、心の底からハシャげなかった1年でした。そんな1年を、勝手ながら“殿をベースに”振り返りたいと思います。まず、わたくしが昨年、殿にお会いした回数は59回。基本、毎週土曜のレギュラー番組にブレーンとして参加させていただいているため、単純計算で、月4回×12として、これだけで殿に年48回程はお会いできます。で、あとのおまけは、殿からの食事のお誘いだったり、何かしら殿に用事があり、他の現場に顔を出したりした回数を足した数です。で、当然ですが、いつお会いしても基本、昨年はほぼコロナの愚痴から会話が始まりました。

 昨年、最後にお会いした時も「まーしかし、今年は見事にコロナで終わっちまったな」と、定番になっている“コロナあいさつ”から始まり、やはり昨年中に何度も口にした言葉で「さすがに、まだライブはダメか?」と、今、殿の中でライフワークである「ビートたけし単独ライブ(現在までに9回開催)」の開催希望を口にしたのです。で、その後、なぜかこの日は「北郷、お前、いくつになった?」と、唐突に歳を聞かれ、「49になりました」と答えると、殿は一度「ぷはっ!」と吹き出し、「お前、もう49か? じゃー、ダンカンやタカなんかは、もう60超えてんのか? そりゃ~俺も老けるわけだ」と、続けたのです。

 で、昨年は夏にも、まったく同じように歳を聞かれ、やはり「ぷはっ!」と一度吹き出した殿が、軍団の高齢化を嘆いたことがありました。この、まるでデジャブのような殿とのやり取りを、わたくしなりに検証すると、常に何かしらエキサイトなことが起こる殿周りでも、昨年はコロナのために何もなく、地味すぎる日常が続いた結果、殿の中でさほど興味のない「わたくしの年齢」について、思わず年に2回も聞いてしまう事態に陥ったのではないでしょうか。そんな、大変地味で、少しばかり後ろ向きな殿とのやり取りが多かった2020年の中で、数少ない前向きなものといえば、12月に入って交わした、こんな会話です。

殿 あれだな。次のライブは、またちょっと落語でもやってみっか?

わたくし いいですね。殿の高座姿は皆さん見たいはずですから、ぜひぜひ。で、殿、現在、僕のところに広島、北海道、高知、それと埼玉のイベンターさんから、コロナが良くなりましたら、「たけしライブ」をやっていただけないですか?って、話が続々と来てます。

殿 へ~。そりゃ~ありがてぇ~な。じゃ~こうなったら、来年は徹底的に地方回るか!

 なので、たけしファンの皆様、近い将来、もしや、あなたの町に、生・ビートたけしがやって来る日があるかもです。ですから、くれぐれもご自愛いただき、お互いがんばりましょう。

 で、今年も当連載を、何卒御贔屓に。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

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