スポーツ
Posted on 2013年11月05日 09:59

楽天田中将大と嶋基宏「黄金コンビ」苦闘7年物語(10)WBCとヤンキース黒田の著書で学んだ“投球術”

2013年11月05日 09:59

20131107k

 振り返れば、シーズン当初は、決して好調の時ばかりではなかった。それを救ったのは、嶋の攻守にわたるサポートがあったからに他ならない。

 開幕初戦となった4月2日の対オリックス戦、7回を投げ2失点で勝利した。

「カーブを覚えてきたと相手(打者)に意識させれば十分」

 と言った田中。直前の第3回WBCの時に、「メジャーでは縦に落ちるカーブが効果がある」と言われて身につけたカーブを多投したものだった。これは以前から佐藤義則投手コーチに「カーブが投げられないと勝てない」とアドバイスされていたことを確実に体現できた瞬間でもあった。一方、嶋もまたこの試合で田中を後方支援している。リード面では、カーブを多めに要求。打撃でも3安打4打点の活躍で内助の功を見せた。続く9日の対日本ハム戦の登板でも、田中は7回を1失点に抑える力投。嶋も先制のスリーランホームランを放ち、大きく勝利に貢献したのだった。交流戦が始まる5月14日までに田中は5勝をあげ、嶋はそのうち4試合で打点をあげて田中をバックアップしている。

 シーズン序盤、不安定な投球が続く田中を救う打撃を見せ、信頼を得た嶋は、田中の“オン”と“オフ”の違いに最初から気づいていた。

「アイツは走者を得点圏に置くとスイッチが入る。そうなると内角を積極的にいっても大丈夫。危険を感じた時は、わざとボールにしてくれる」

 と、田中の投球技術を評価した。“走者を置いた時の豹変ぶり”こそが、開幕25連勝につながる大きな要因となったことは間違いない。

 実は、田中はWBC期間中に、何気なくヤンキースの黒田博樹が著した「クオリティピッチング」(KKベストセラーズ)を手に取った。そこに書かれていたのは、メジャー選手の心構えだった。「メジャーで必要なことは勝ち星ではなく、負けないこと」「先発投手は1年間ローテーションを守り、6回までキチンとゲームを作り、200イニング以上投げること」とつづられていた。「メンタルはマウンド上でコントロールできる」という点についても共感し、それを実践しようと心がけるようになっていったのだ。

◆スポーツライター 永谷 脩

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2026年03月28日 09:00

    今後は大好きな「タレント業」に全振りすることになるのだろうか。スピードスケート女子金メダリストの髙木菜那が、4月から情報バラエティー番組「ラヴィット!」(TBS系)に曜日レギュラー出演する。開始当初の「ラヴィット!」は評判がすこぶる悪かった...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    スポーツ
    2026年04月02日 12:00

    巨人の絶対的守護神ライデル・マルティネスが、早ければ4月3日からのDeNA3連戦から出場登録されるという。WBC後の帰国以降、外国人選手の出場枠問題が再注目されているだが、「結論」はすでに出ているようだ。「打撃好調のキャベッジ、ダルベックを...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年04月03日 11:30

    ヤクルトスワローズが4月2日の広島戦に勝ち、開幕5連勝を飾った。そこでクローズアップされたのが、巨人・阿部監督の采配だ。同日の中日戦、9回に反撃して「あと1点」のところまで迫ったが、中日に逃げ切り勝ちを許してしまった。キャベッジに適時打が出...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/31発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク