エンタメ

あのモンスター視聴率ドラマ「伝説の最終回」(6)俺たちの旅・鎌田敏夫

20131107s

 ヒットメーカーの名をほしいままにしてきた鎌田敏夫氏。1967年の青春ドラマ「でっかい青春」(日本テレビ系)でデビューしてから、さまざまなジャンルのドラマ脚本で高視聴率を叩き出してきた。代表作3本の「とっておきのエピソード」を聞き出した!

──鎌田さんの脚本でまず頭に浮かぶのが「俺たちの旅」(75~76年、日本テレビ系)。高度成長期時代、落ちこぼれ三流大学生(中村雅俊)と悪友の社会人(田中健、秋野太作)の自堕落な青春を描いて共感を呼びました。

「『大学生を主役にしても当たらない』と言われてた時代。大学生はテレビドラマなんて観てなかった。それで『10年後も見られる番組を作ろう』を合言葉に、はやりの店、言葉、場所をあえて入れずに作ったんだ。日テレができて20年ちょっとの頃で、現場は自由な雰囲気にあふれていた。週に2、3回、飲みながら打ち合わせしてました」

──今で言う「だめんず」を描いた画期的なドラマ。たちまち人気になり、その後も「俺たちの朝」「俺たちの祭」とシリーズが続きました。

「遊びの合間に仕事してるって感じだった。セリフは考え抜いて出てくるものじゃない。遊んでる時にポッと出て来たりする。だから撮影前日まで打ち合わせしたり、脚本が上がるのが収録1週間前だったりもしました」

──一番の苦労は何でしたか。

「最初、雅俊の主演だけ決まってたの。水谷豊と村野武範のトリオだったのが、雅俊が主題歌を歌うと聞いて2人とも降りちゃった。それで歌手だった田中をキャスティングしたんだけど、2人ともドラマは新人同様だったので、芝居のできる秋野を入れてもらった。でも、今度は雅俊が‥‥」

──どうしたんですか?

「『こんな女好きの役やって大丈夫なんですか』って言ってきた。『大丈夫、大丈夫。ゲイリー・クーパーだって、いい人の役なんかやってないから』って酒飲みながら説得した。本番では雅俊も一切セーブしないでやってくれたので、あの野放図なキャラができた」

──番組の打ち上げで胴上げをされたそうですが。

「あれが最初で最後の胴上げだったね。当時のスタッフ、キャストとは本当に仲よくてね。今でもよく集まっては飲み会やってる。10年、20年、30年後の続編ができたのも、そのおかげだと思ってます」

──「金曜日の妻たちへ」(83~85年、TBS系)もシリーズになりました。3作目の「──恋におちて」の最終回は23.8%を記録。元カレや元カノとの再会から始まる大人の男女の切ない恋を描きました。

「下町ホームドラマ全盛の頃に、郊外を舞台にしたドラマをやりたい、というのが発端。『郊外に住む35歳の主婦だけが見てくれたらいい』と言って始めたドラマでした。夫婦の友情物語がテーマで、キャスティングも地味だと、始まる前は『これではちょっと』と、局から言われていたらしい」

──主題歌が大ヒットし、舞台になった東急田園都市線の地価が高騰。不倫がクローズアップされ、“金妻”が流行語になるなど、ものすごいブームでした。

「DVDができた時に見直したら、泣かせるシーンがないのに泣けてくる。芝居をここまでやってくれたかと思ったら、書いてるほうは泣けてきたりする時があるんです」

──山口智子と松下由樹の「29歳のクリスマス」(84年、フジテレビ系)は、女性にバカウケでしたね。

「あの時は仕事のストレスで10円ハゲができたという話をたまたま食事をした女性から聞いて、それでドラマのファーストシーンができた。仕事のストレスで女性にもハゲができるというのは、それだけ女性も仕事が大事になってきた時代の象徴だった。ドラマは、そんな幸運が積み重なってできていくものなんです」

──キャスティングですったもんだしたそうですね。

「山口智子が背が高いので、もう1人も背の高い女性にしたかった。結果的には、柳葉敏郎も含めて。3人がほぼ同じ背丈になった。それが、男女雇用機会均等法の時代を象徴していた」

──恋も仕事も諦めない貪欲な女性像が注目され、最終回は26.9%を記録。向田邦子賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞しました。

「ラストシーンで、プロデューサーが俺の意図を理解して、深夜にもかかわらず10分余りのシーンを撮り直してくれたそうなんだ。この話は、(今年6月に上梓した初エッセイ集の)『来て!見て!感じて!』(海竜社)を書く時にプロデューサーに確認したから確かだと思う。脚本がいいと、スタッフとか役者がノッてやってくれる。脚本家冥利に尽きたね」

カテゴリー: エンタメ   タグ: , , , , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    実力派ジョッキー戸崎圭太も登場!「KEIRIN GP2019」スペシャル企画動画『The DAN(座談)』をチェックせよ!

    Sponsored
    138500

    12月にもなると「なんだか気持ちが落ち着かない…」というギャンブル好きの読者諸兄も多いことだろう。というのも年末は、競馬の「有馬記念」、競艇の「賞金王」、オートレースの「SS王座」といったビッグレースが目白押しだからだ。競輪では、12月30…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , , |

    センベロ、野球、鉄ちゃん、アニメ、オタク……趣味などの価値観重視で生涯のパートナーを見つけるマッチングアプリが中高年に最適なワケ

    Sponsored
    136162

    50歳で結婚歴のない「生涯未婚率」が激増している。これは2015年の国勢調査の結果によるもので、親世代となる1970年の同調査に比べると、その率なんと約14倍なんだとか。この現実をみると、「結婚できない……」ことを切実な問題として不安に思う…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    “男の活力低下”につけこむ甘い罠…手軽に入手できる海外未承認薬の危険過ぎる実態に迫る!

    Sponsored
    133097

    40代50代の中高年男性といえば、人間関係、リストラの恐怖、のしかかる責任感など仕事上の悩みに加えて、妻や子どもとの関係、健康や老後の不安といったプライベートなことまで、さまざまな問題を抱えているもの。そしてこれらがストレスとなり、加齢によ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
主婦は猛反発!?石田ゆり子“食料買い占め”苦言は「仕事に支障」ギリギリの線か
2
千眼美子が最新映画で“萌えコスプレ”を披露!似合いすぎと大絶賛
3
芸能界イチの小顔・乃木坂46齋藤飛鳥の告白でプロ意識を称賛する声が殺到
4
コンビ降板がかかった「バス旅Z」が成功!「運命を分けたポイント」は!?
5
美女アナ「空前の世代交代」戦略をスッパ抜く(1)TBS・江藤愛のポストに座るのは?