芸能
Posted on 2021年03月20日 17:57

ビートたけしの名言集「カンペを読みながらの芝居、そして漫才」

2021年03月20日 17:57

「おかしいな? 俺、いつからカンペでやるようになったんだ? 昔はちゃんと覚えてやってたんだけどな」

 つい先日、殿と雑談をしていると、なぜか“最近は映画やドラマで芝居をする時、オイラはカンペを多用する”といった、みずからの告白があり、その後、殿はまるで他人ごとのように、冒頭の言葉をつぶやいたのです。ちなみに「カンペ」とは、役者さんがセリフを覚えられない時に作成するカンニングペーパーのこと。

 で、そんな殿のつぶやきに対し「僕が殿の付き人で参加した『血と骨』(04年)や『鬼畜』(02年)、『兄弟』(99年)なんかでは、セリフもたくさんありましたけど、殿は普通に覚えてやってましたよ」と擁護的発言を入れると、殿は間髪入れず、

「そうだよな! 俺も昔はちゃんと覚えてやってたよな!」

 と、いたく同調したのでした。

 これはわたくしの勝手な憶測ですが、殿がカンペを多用しだした作品は、ハリウッド映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」(17年)に参加したあたりからであり、この時、殿は「主演のスカーレット・ヨハンソンが、俺のカンペを持ってくれていた」と、舞台あいさつの場で撮影秘話を語っていました。

 ちなみに、この時の舞台あいさつでは「こんにちは。渡辺謙です」と、まずは“国際派俳優名前ボケ”をしっかり入れてからしゃべり出していました。

 で、殿とカンペといえば、以前、某プロデューサーから聞いた、あるエピソードが、わたくし的にはすぐ思い浮かびます。

 それは80年代初頭、一大ブームを巻き起こしたネタ番組「THE MANZAI」の中で、当時、恐ろしく多忙だった殿はネタを覚えている時間がなく、苦肉の策として、本番でADにカンペを持たせて、それを見ながら漫才をやったといったものです。

 初めてこの話を聞いた時、正直、〈とんでもなく速いあの漫才スタイルで、カンペを読みながらやるなんて、本当にできるのか?〉と、とても信じられず、殿に確認したのですが、

「そうだよ。あの時は本番ギリギリまでネタ考えててよ。もう覚える時間もねーから、カンペにネタのワードだけ箇条書きで書いて、それ見ながら一発勝負で漫才やったんだよ」

 と、サラッと答えてくれました。すげ~。ちなみに、カンペを持たされたADさんは、殿のしゃべるスビードに合わせてカンペをめくらなければならず、ミスの許されないその作業に、恐ろしく緊張を強いられたと後日、語っていたそうです。そりゃそうだ!

 で、常々「客前でのネタは何度経験してもいちばん緊張する」と公言している殿ですから、しくじれない番組で、カンペを見ながらの一発勝負という漫才は、それはそれは想像を絶する緊張をしたのでしょう。

 そして、そんな殿は、とんでもなくピリピリした“怖い怖いビートたけし”だったことでしょう。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年07月27日 11:00

    二転三転したサッカー日本代表の次期監督問題、どうもスッキリしないのはなぜか。日本サッカー協会(JFA)は北中米W杯で指揮を執った森保一監督を、来年1月に開幕するアジアカップ(2027年1月7日から2月5日・サウジアラビア))まで続投させるこ...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年07月28日 14:30

    中日ドラゴンズの元投手で、タレントなどで活躍した板東英二さんが7月22日に慢性心不全のため死去していたと、7月28日に公式サイトで発表した。86歳だった。1940年4月生まれ、満州出身で戦後は徳島県で育った。徳島商時代にエース投手でプレーし...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年07月29日 11:30

    コロラド・ロッキーズの菅野智之が「夏の主役」となりそうだ。メジャーリーグ各球団が期限ギリギリになると、駆け込みトレードを次々と成立させている。優勝争いから脱落したチームが主力選手を手放し、その見返りとして将来性の高い若手選手を複数人もらう。...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/7/21発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク