スポーツ

槙原寛己を苦手の“対落合”でニンマリさせた「大乱闘」中日戦の“裏”

 今から31年前、1990年5月24日にナゴヤ球場で開催された「中日‐巨人戦」は、壮絶な乱闘騒ぎとなった。巨人、槙原寛己氏の投球が中日の打者、バンスローの顔面付近を襲ったことに端を発し、当時の故・星野仙一監督が激怒。止めに入った巨人、水野雄仁氏の頬に星野監督がビンタを食らわせるといったシーンが衝撃的だった。

 ところでこの試合、もう1つ衝撃シーンがあったのをご存知だろうか。ロッテオリオンズ時代に3度の三冠王を獲得、87年に中日に移籍していた落合博満氏が、槙原氏相手にセーフティーバントを見せたのである。

 槙原氏のYouTubeチャンネル「ミスターパーフェクト槙原」の、5月10日付投稿動画で、「あの落合博満がセーフティーバントの構えした時、俺も『エーッ』と思って!」と感情たっぷりに驚きの表情を浮かべた槙原氏。落合氏ほどの打者に苦手意識を与えていたことは光栄だと「俺、イーとこイケてんじゃないの?…って」とスタッフの笑いを誘いつつ振り返ったのだった。

 ちなみにこの年、落合氏は本塁打王と打点王に輝いている。そんな大打者をセーフティーバントに追い込ませた槙原氏もまた、やはり偉大な投手だったと言えるだろう。

 落合氏はその後、94年に巨人へ移籍。同年の5月18日、福岡ドームでの対広島カープ戦で、槙原氏は史上15人目の完全試合を達成しており、27個目のアウトは、落合氏へのファーストフライだった。歴史に残る試合をしっかりと締めて、槙原氏を男にした落合氏。そんな感動的なシーンがよみがえる好回だった。

(ユーチューブライター・所ひで)

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