社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<帯状疱疹>サインは「ピリピリ痛」「72時間の攻防」が鍵に

 新型コロナウイルスのストレスなどで、「帯状疱疹」で病院を受診する人が増えている。患者の中には「耳にピリピリする痛みを感じたが、マスクによる圧迫のせいかと思っていた」「肩こりや耳の周りの痛みがひどい」といった症状で医師の診察を受けたら「帯状疱疹」だったというケースもある。

 この病気は「水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルス」による感染症だ。子供の頃に水ぼうそうでかゆい思いをした人も多いだろう。実は治った後も、ウイルスは体内の後根神経節(こうこんしんけいせつ)に潜んでいて、ストレスや疲れ、免疫力の低下などが引き金となって、帯状疱疹を発症するのだ。

 症状としては体の左右のどちらか一方にピリピリとした痛みを感じて、数日後、赤い斑点と小さな水ぶくれが出始める。水ぶくれを伴う発疹ができてからは72時間以内に治療をするかどうかが、後遺症の有無を左右する大きなポイントとなる。水ぶくれを発症する前段階で、体の左右どちらかに「ピリピリ」「チクチク」した皮膚の異変を感じたらすぐに医師の診察を受ける必要がある。

 治療方法は、アシクロビルやバラシクロビルなどの抗ウイルス薬の内服薬や点滴を用いるのが一般的だ。強い痛みを伴うことも多いため、神経ブロックや抗けいれん薬などを組み合わせる場合もある。

 50歳以上の患者の約2割は、症状が治まってからも長期間にわたって痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」に移行してしまうケースもある。これは、顔面に帯状疱疹ウイルスの影響が及び「ハント症候群」という病気を引き起こす。目や口が閉じにくくなったり、難聴、めまい、味覚低下などの症状が発症する。

 ちなみに「帯状疱疹」は、発症リスクが上がる50歳以上を接種対象としたワクチンがある。該当者は医師に相談をして接種するのがいいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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