社会
Posted on 2021年12月13日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<加齢による色覚異常>見える世界がセピア色に。火災事故も引き起こす

2021年12月13日 05:55

「ものが見えづらくなった」「階段の段差でつまずきやすくなった」といった症状は中高年によくみられるだろう。実は、視力低下や老眼が原因ではなく、加齢による「色覚異常」が原因の場合もあるのだ。

「色覚」とは、色を正確に判断する感覚のこと。「色覚異常」は「先天色覚異常」と「後天色覚異常」に分類されるが、前者は遺伝などが原因で、後者は目の視神経や脳などの病気、怪我、加齢などによって発症する。

 80歳までには全ての人が加齢による「色覚異常」をきたすと言われている。

 加齢による「色覚異常」は、20代後半から少しずつ進行している。水晶体(目のレンズ)は生まれた時は無色透明だが、有害光線から目を守るために、加齢とともに黄色に変化していく。80代になると水晶体は濃い茶色になる。セピア色の写真を見る、あるいは、ビール瓶越しに景色を見るような見え方になるという。

 自覚症状があまりないため、放置されていることが多いが、思わぬ事故の原因につながる危険もある。

 例えば、高齢者の「着衣着火」の火災事故。ガスコンロの炎の大きさは、年代によって見え方が違っている。最も高温である青色の炎の先端は高齢者には判別しづらい。そのため、炎から距離をとっているつもりでも、青色炎の先端部分は見えていないため、ガスコンロの火が衣服に燃え移ってしまうのだ。

 高齢者の転倒事故も、色覚異常が関係している可能性がある。特に暗い場所では、階段のいちばん下の段が影のように見えてしまい、段差の境目がわからないことが多い。そのため踏み外して、転倒事故につながるのだ。

 加齢による「色覚異常」は、ほとんどの人が無自覚なので、自身の色覚異常の進行具合を知るためにも一度、眼科医で色覚検査を受けてみるのもいいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク