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記事全文を読む→「浅田真央VSキム・ヨナ」死闘10年の“裏”真実(12)
スポーツ紙記者が語る。
「佐藤コーチの教えの基本は、『パンにバターをスッと塗るように滑り、ジャンプはそのスケーティングの続き』というものです。その方針は『できるかぎり選手の気持ちを尊重する』というもの。そんな佐藤コーチの指導のおかげで、浅田は滑らかでいながらパワフルな滑りをコツコツと身につけていったのです」
その結果は、12-13シーズンの好成績にも見て取れる。浅田は3Aを封印したままGPシリーズを2連勝し、GPファイナルを制す。そして迎えたシーズン6戦目、基礎から組み立て直した“ニュー3A”のお披露目の時が来たのだった。デスクが語る。
「13年2月、大阪で開かれた四大陸選手権のショートプログラム(SP)で、2年ぶりに3Aを決め、74.49をマークした。バンクーバー五輪当時よりも基礎点がアップしているとはいえ、2シーズンぶりの70点台に思わず、浅田がガッツポーズを見せたほどでした」
当時、浅田はみずから体得した“ニュー3A”をこう表現している。
「軽く、速く、あまり待たずに、力を抜いて跳ぶことができる」
当然、2年ぶりとなるキム・ヨナとの対決となる3月の世界選手権に注目が集まった。しかし、フリースケーティング(FS)の3Aが回転不足になるなど、15回目の対決は黒星を喫したのだ。それでも、1年前と違い、練習の成果を実感した浅田の表情は穏やかだったという。
そして、シリーズの最終戦、世界国別対抗戦後。ソチ五輪まで、あと300日という日、浅田の口から“覚悟”が語られた。
「五輪という最高の舞台で、集大成としていい思いができるようにしたい」
“引退”の2文字こそ使わなかったが、取材陣の「集大成=引退か」という問いかけに、浅田はうなずいた。記者が語る。
「この世界選手権の終了後に、佐藤コーチから残る課題はあと3つだけと告げられました。ルッツとフリップ、スピード。これらを今年の9月までに克服しようと言われたのです。信頼できるコーチの言葉に、浅田はかつての自信を取り戻しました。課題を克服した先に待っている演技が、バンクーバー五輪で断念した『エイト・トリプル』です」
まだ、女子シニアで6種類の3回転ジャンプを8本成功させた選手はいない。
タラソワとのコンビで挑んだバンクーバーでは、ルッツの踏み切り違反を修正できず、3回転-3回転も封印し、大技3Aのみで挑むもヨナに跳ね返されたことは、すでに述べたとおりである。
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