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記事全文を読む→「浅田真央VSキム・ヨナ」死闘10年の“裏”真実(13)
浅田は親しい記者に、ジャンプにこだわる心の内をこう語っている。
「今の時代はジャンプだけがフィギュアじゃないと言われるけど、やはりジャンプがいちばん大事だと思う」
そんな浅田の自室には、
「最高の演技をする」
と、書かれた紙が貼られている。引退宣言から3カ月後の13年7月、浅田はカメラに向かって8本の指を立て、「エイト・トリプル」への挑戦を明かした。
「3Aを跳べるものだけに与えられたチャレンジであり、この『3回転×8回』こそが、真央ちゃんの目標なんです」(デスク)
前人未踏の構成だけに、完璧に演じれば、過去最高の基礎点を得られ、金メダルは確実である。ライバルのキム・ヨナは今季227.86をマークしているが、いわゆる出来栄え点(GOE)が高く評価され、加算されたものだ。キム・ヨナのソチ五輪仕様の構成予想では59.82と基礎点は60点を割り込んでいることがわかる。
これに対し、浅田のエイト・トリプルは3A2発の構成よりも高い69.16にまで達する。3Aを封印し、基礎からスケーティングを練習し直し、技術を増した今の浅田の滑りであれば、この9点差をGOEでひっくり返される可能性は低く、キム・ヨナを撃破することは確実だ。しかし、ここにきて、浅田の腰が再び悲鳴を上げ始めていた。記者が語る。
「団体戦のSP(3位)を見るかぎり、腰の不安が解消されていないようです。12年11月にこれまでにない痛みを覚えてからは、少しでも腰に負担がかからないようにと、父の敏治さんの運転で名古屋の自宅と新横浜の練習場を往復したり、国立スポーツセンターのエキスパート陣のバックアップを受けるなど、細心の配慮を払ってきました」
浅田の腰痛は、昨年暮れに再発し、ロシアに移動してからも専門家からの治療を受けている状況となっている。スポーツ紙記者が話す。
「今季の試合で、まだ1度も3Aを決めていないんですよね。団体戦のSPまで12回挑んで、両足着氷さえ、わずか3度と不振を極めています。そのため、バンクーバー五輪でアシスタントコーチを務めたシャネッタ・フォレ氏も加わり、ジャンプの再チェックに余念がありません」
前回のバンクーバーでも直前に調子を落としながら、立て直した浅田。キム・ヨナはソチ入り直後、団体戦で失敗した浅田を挑発するようにこう言った。
「個人戦でベストの結果を出すためには、団体戦での失敗を引きずってしまうこともある」
競技者としての集大成に向かう浅田の目には、キム・ヨナもロシアの新星・ユリア・リプニツカヤ(15)の姿も映っていない。ただ、不振の3A、苦手の3回転ルッツを克服し、エイト・トリプルを完成させるシーンだけを思い描いているに違いない。
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