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テリー 39歳で43本、41歳で39本打ったでしょう。当時は「山崎すげえな、この年で」と、日本中が思ったんです。野村さんから教わったことが、この数字に出ているんですか。
山崎 そうだと思いますね。いちばん簡単なことを言うと、それまで僕は三振をめちゃくちゃビビってたんです。僕は最年長本塁打の歴代3位の記録を持ってるんですけど、中日にいた時は、とにかく三振はしちゃいけないと思ってたんですね。それで、消極的になっていたところがあった。そんなある日、野村監督から「お前、三振を怖がってるだろう」って。
テリー ズバッと見抜かれたと。
山崎 ええ、まさに。「三振したくないです」って言ったら「お前はそこがダメなんだよ」と。「三振してもいい当たりでアウトでも、1アウトは1アウト。だからとにかく三振を怖がりなさんな。見逃し三振でもいい。何してもアウトになっても結構」と。
テリー うんうん。
山崎 「だけど、その三振した中にも、どういう内容で、どういう考えのもとで三振したかということを、自分の中で知る必要がある。わかっていれば三振してもいい。そのうえでチャンスで打てなかった‥‥、それだったら練習して、次に頑張ればいい」という考えで言ってくれたんです。
テリー それは、昔の教えとは違っていたんだ。
山崎 過去の監督にはとにかく「三振するな」「不細工な格好でアウトになるな」ということばかり言われていたんですね。だからそのマイナスイメージが、ずっと離れなかった。
テリー 野村監督の言葉で「三振」に対するイメージがガラッと変えられたんだ。
山崎 ですから、ホームラン王と打点王を取った時、僕は150三振ぐらいしてるんです。
テリー あっ、そうか。
山崎 あとは「配球の組み立て方をしっかり勉強しなさい」と。今日は外の球場なのか、ドーム球場なのか、イニング、ピッチャーの調子、全て含め、ピッチャーの組み立てというものを考えていきなさいと。僕はそんなことを考えたことがなかった。「来た球を打ちゃいいわ」と思っていたので。
テリー 野村監督ともっと早く出会っていれば、2000本安打もできただろうね。
山崎 2年早かったらできたでしょうね。でも、それより前だったら、たぶん、野村監督とも衝突してたと思うんですよね(笑)。
テリー ハハハハ。そして野村監督と4年やって、星野監督に代わったと。星野監督は、どういうタイプの監督だったんですか。
山崎 血の入れ替えをどんどんしていくという考え方で、その頃、イーグルスは僕の色に染まりきっていたので、そういったことを嫌う監督だというのはわかっていました。だから「いよいよここで、俺は摘まれるな」「ユニホームを脱ぐんだな」と覚悟した頃に、辞めろと言われました。
テリー じゃあ、あらためてぶつかったりはしなかった。
山崎 しなかったですね。監督に「引退しろ」って言われて、僕は悩んで野村監督に電話したら、「お前が決めろ」って。会社が決めたり監督が決めたりすることじゃないから、「まずは自分自身の意思表示をしなさい」と。だから会社に「引退じゃなくて退団という形にしてください」と伝えたんですけど、半月ぐらいモメました。
テリー 何で?
山崎 メンツの問題で。いちおう、楽天の功労者ということで、自由契約はイメージが悪いと。僕が円満に「引退します」って言うのが一番だったみたいです。
テリー なるほどね‥‥そこから中日に戻ったというのは、どういう思いだったんですか。
山崎 「自分は最後にドラゴンズのユニホームを着たい」と、ダメ元で自分でセールスに行ったんです。初めはドラゴンズ側も難色を示したんですが、最終的にとても気を遣ってくれて。球団としては受け入れたくても、お前を安い年俸で雇えないと。僕は「いや、給料なんか400万でも行きます。この1年だけやらせてほしい」と伝えて。
テリー 楽天の最後はいくらだったんですか。
山崎 2億5000万です。
テリー ああ、そうか。
山崎 結局、3000万で契約したんですけど、出来高で上積みできる契約で、ホントにいい評価をいただいて。成績は出せなかったんですけど、僕にとっては非常に意味のある1年でしたね。
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