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見識を疑うロッテの新外国人調査「暴力と訴訟」でメジャーを追放された素行が…

 千葉ロッテマリーンズの元MLBセーブ王、ロベルト・オスーナ獲得調査報道が、球界内で波紋を広げている。

 ロッテがメキシカン・リーグのメキシコシティ・レッドデビルズに所属するオスーナに興味を示しているという。

 オスーナは2018年4月10日、フランシスコ・ロドリゲスを抜いて23歳62日というMLB史上最年少で通算100セーブに到達。アストロズ在籍の19年には38セーブを記録し、セーブ王のタイトルを獲得している。MLB在籍6年で挙げたセーブは、実に155。27歳という年齢を考えれば、現在もMLBで活躍していても不思議ではない。

 オスーナがMLBでプレーする機会を失った理由は、その素行面にある。ブルージェイズ在籍時の2018年5月8日、当時交際中だった恋人に暴力をふるったDV事件でトロント警察に逮捕され、MLB機構から75試合の出場停止処分を受けた。さらに、他の女性との間にできた子供への養育費未払い問題で、訴訟も起こされている。

 出場停止期間中にアストロズへ移籍。20年オフには退団したが、その後はMLB各球団からは声がかからず、ここ2年は故郷のメキシカン・リーグでのプレーを余儀なくされている。

 DV先進国といわれるアメリカではFBIのデータによると、年間400万人以上の女性がDVの被害に遭っている。それだけに、DV問題には敏感で、当事者であるオスーナと契約する球団がないのも無理はない。

 ロッテがオスーナの獲得に踏み切れば、間違いなく見識を疑われる。ロッテは2016年3月に当時、在籍していたヤマイコ・ナバーロが銃刀法違反で逮捕される事態に見舞われた。当時の熊崎勝彦コミッショナーから「ロッテには外国人選手への対応に留意するように」と注意を受けた前科があるのだ。

 ある球界OBは、こう心配の声を上げる。

「いくら実力があっても、メジャーがプレーさせるのに難色を示している選手を日本でプレーさせるのはいかがなものか。ロッテは佐々木朗希の活躍でいいイメージがある球団。素行に難がある選手の獲得で、佐々木人気に影響が出ては困る」

 ロッテには、昨年3勝(6敗)38セーブの成績を残し、自身2度目のセーブ王に輝いた益田直也という守護神がいる。ましてや井口資仁監督はMLBでのプレー経験を持ち、米球界の状況は理解しているはず。リスクを冒す必要があるのかと、ブーイングが出るのも仕方がないことだ。

(阿部勝彦)

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