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記事全文を読む→ウチの猫がガンになりました(22)大好きなブラッシングを痛がるように…顔を舐めるのは「痛い、助けて」のシグナル
この頃、ゆっちゃんと話していたことを書いてみる。
朝晩の冷え込みが気になって、猫用の電気座布団は「強」のままにしてある。ジュテも弟猫たちも温まっている時間が増えたが、休んでいるジュテを見て気になったのは、あれほど毛づやがよかったのに、毛羽だち、ボサボサな時が多くなったことだ。
ジュテは僕がやる膝抱っこと同じくらい、ブラッシングが好きだった。針金の歯のブラシで背中をゴシゴシと力を入れて梳いても、まったく嫌がらない。むしろ快感らしく、ゴロゴロ言いながら気持ちよさそうにしていた。時には何回分かの梳いた毛をまとめると、小さな卵一個分くらいの量になることもあった。それでも「やめて」と鳴くようなことはなかったのだ。ところが…。
「ジュテはブラッシングが大好きでしょ。だけど、お腹の辺りをやっていると痛いのか、体をよじってこちら向きにニャーと鳴くことがあったの。あれは内臓の腫瘍にブラシが当たって、痛いと訴えていたのかもしれない」
ゆっちゃんは、そう言う。
確かに、腫瘍ができた兆候かもしれなかった。なので、病気がわかってからは、ブラッシングは背中側の背骨に沿ったところだけにして、お腹周りは掌でそっと撫でるようにしていた。毛がボサボサしているのも仕方がない。
夜は電気座布団にジッとしていることもあるが、人恋しいのか、ベッドに上がってきて、ゆっちゃんの隣で寝ることも多くなった。
「一緒に寝てるでしょ。その時に私の顔とか瞼を舐めるの。猫の舌はザラザラしているから結構、痛い。あれは愛情表現もあるけど、今から思うと『具合が悪いの。助けて』と言いたかったんじゃないのかな」
これもジュテの異変だ。そして「動作も遅くなっていると思わない?」と言う。ジュテは雀を捕まえて来ることもあった、俊敏な猫だ。それがベッドに上がる動作も、以前ならヒョイと身軽だったのが、位置を確認するようにしてからジャンプするようになった。
階段の昇降もそうだ。これまでは2階からトントントンと軽快に降りていたが、一段一段、踏みしめるように降りている。その横を弟猫のガトーやクールボーイがサッと通り過ぎていくことも。
ゆっちゃんは「今から思えば、変だなと思うこともあった」と言う。いつもは毅然として人に命令するような仕種をするジュテが、以前なら考えられないほど甘えるようになったのだ。
「足元にまとわりついて、訴えるような目をするの。背中や頬をこすりつけ、かまって、かまってが、このところひどい」
これまでにいくつも、シグナルを送っていたのかもしれない。
ベッドに入ってきて眠る時は、大抵はゆっちゃんの側に寝るのだが、僕がトイレに立った隙にすぐ気が付いてこちら側に移ると頭を枕につけ、横臥状態で寝ていたりする。「こらっ」と怒ってみせたりするが、動かしたりどかしたりはもちろんしない。
なので、病気がわかってからは特に、隣の仕事部屋のソファーに寝るのが習慣になった。夜、寝る時にジュテを確認し、夜中にも何度か様子を見に行く。時々、ゆっちゃんに腕枕をしてもらって、気持ちよさそうにしている寝姿はとてもかわいいのだが…。
(峯田淳/コラムニスト)
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