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記事全文を読む→掛布雅之 超攻撃的個人主義で上位球団を食うDeNAとヤクルトの「猛威」(2)
実際に阪神も8月7日のヤクルト戦(神宮)で象徴的な展開がありました。1-1の4回無死一、二塁で伊藤隼に送りバントさせ、1点を取りにいく作戦を選択しました。結果的に梅野、歳内が凡退して無得点で終了。その裏の攻撃でヤクルトはイケイケの強行策で一気に4点を奪い、試合の主導権を握ったのです。
その試合の阪神の先発投手は若い歳内でした。少しでも楽に投球できるよう、リードした状況を作ってあげたいベンチの親心もわかります。しかし冷静に分析すると、同5日にはエース格のメッセンジャーが5回8失点を喫した相手です。歳内のためにも、1点の勝ち越しを狙うより、一気に大量リードを狙ってもよかったと思います。
シーズン終盤で目標を見失ったチームは本来、気持ちの粘りがなく、リードされた展開では淡泊な攻撃になりがちです。ですが、今のヤクルトやDeNAにはその法則が当てはまりません。チームとして勝つ野球から個人主義の野球に変わり、うまく循環しているからです。今年初めてレギュラーになった山田や雄平、DeNAの筒香にしても、自分の数字を残すことに懸命だからです。
筒香といえば、私も入団時から注目していた選手です。横浜高から鳴り物入りでプロ入りし、5年目でようやく才能が開花しました。メジャーリーガーの打撃フォームを模倣するなど、毎年のようにフォームを変えていたのですが、今年はシンプルな形に落ち着いています。やっと誰のマネでもない筒香の形を作り上げることができたのではないでしょうか。現在、30本塁打の大台も狙える数字を残しています。
8月13日の試合(名古屋)で守備の際に交錯して緊急搬送され、具合が心配されますが、復帰後も結果を残し続ければDeNAの逆転Aクラス入りは十分にありえます。5月以降は負け越しの月がなく、借金も最大13まで膨らみましたが、勝率5割復帰も見えてきました。あとは、この試合に勝てば勝率5割や3位浮上、といった大事な試合で今までどおり戦えるかです。
DeNAは勢いに乗ると、ある意味でいちばん怖いチームかもしれません。中畑監督の明るさが、就任3年目でようやくチーム全体に浸透したように思います。ヒーローインタビューを聞いても若い選手がみんな明るく、敗戦を喫しても決して引きずらない野球がチームカラーとして根づいたのではないでしょうか。
ヤクルト、DeNAの両チームに共通している強みは、4番打者がしっかりしていることです。バレンティン、ブランコの存在が、若い打者が伸び伸びとやれる要因です。阪神のゴメスも合格点の働きですが、真価が問われるのはここから。日本の夏場の経験がないのは不安材料です。
いよいよ佳境へと向かう優勝争い。各チームとも、4番打者の働きが浮沈のポイントとなることは間違いないでしょう。
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