社会

朝日新聞の記者が“朝日人”になる経緯(3)取材姿勢に問題あり?

20140911c

 リベラルな新聞と言われる朝日新聞だが、記者全員が特定の思想に染まっているわけではないという。

 若手記者がこう弁明する。

「朝日の若手記者の多くは反日や左翼といった特定の思想を持っていません。採用基準が原因だと思うのですが、いわゆる『真面目』なタイプが多いのです。一方で上の世代は思想に染まった人が多く、それをその下が聞き‥‥となって紙面ができます。そうしているうちに染まっていくのです」

 上司の中には、作家になる前に産経新聞の記者だった司馬遼太郎を例にあげて、このように部下を教育する人もいたという。

「朝日はスクープで食っている。産経から司馬遼太郎を引き抜こうとした。しかし、朝日のクオリティに自分が追いつかないことを恐れて彼は断ったんだ」

 こうした「特権意識」を植え付けられながら、記者たちの取材は上から目線の「強い」ものになっていく。全国紙のベテラン社会部記者が、朝日記者の「モンスター」ぶりを語る。

「取材対象者を何とか懐柔しようとするのが多くの記者なのですが、朝日の記者は『知ってるんでしょ? しゃべってくださいよ!』とかなり高圧的に詰め寄ることが多いのです」

 また別なジャーナリストは、事件の加害者の母親が寝込んでいるところに突撃を繰り返す朝日記者の姿を振り返る。

「自殺が心配だったので、現場にいた記者全員が家の前に立ち尽くしていました。ところが、朝日の記者だけは30分に1回ピンポンを繰り返すのです。知らないと思って、『寝込んでますよ』と助言すると『だって中にいるんでしょ?』と、平然とした顔でしつこくピンポンを押していました」

 04年に奈良で発生した小1少女殺害事件では、朝日は被害児童の両親に手紙と子供を事件で失った犯罪被害者の本を同封し、両親が「精神的苦痛を受けております」とコメントを出した。

「他社からも『強い』と言われます。理由の一つは『証言を取ってこい』という上司の命令を優先するから。もう一つは朝日を名乗って強く言うと、取材が成功することが多いからです。そんなことからクセになってしまう記者が多いのです」(中堅記者)

 アパホテルの元谷外志雄代表は「慰安婦記事検証」を受け、夕刊フジで自社の朝日新聞への広告出稿の停止を宣言し、

〈他の日本企業も抗議の意思を示すべきだ〉

 と呼びかけた。新聞社にとって広告収入が減ることは大きなダメージとなることは明らかだ。

「多くの人から間違いを指摘されながら32年放置したことに最大の問題があります。朝日新聞社はガバナンス(企業統治)の不全が生じているわけです。一方で、一般の上場企業は、株主のリスクを回避するために、取引先のガバナンスを監視する義務があります。ガバナンス不全の企業とは取り引きしてはいけないとされています。広告出稿も『取り引き』です。上場企業にとって朝日新聞への出稿が問題になる可能性があります」(渡邉氏)

 もっとも朝日新聞は、同社に批判的な記事を掲載した「週刊文春」「週刊新潮」の9月4日号の広告掲載を拒否し、新たな論争を生んでいる。朝日はどうあるべきかを前川氏が語る。

「きっちりした紙面を作ること、これしかないです。最近は1面全部を使って、中でも全面を使う記事がたくさんあります。昔はコンパクトに書けと言われたものでした。新聞は事実報道ですから、読み物的な体裁はなかなか作れません。コンパクトな事実報道に戻るべきだと思います」

 9月には福島第一原発の「吉田調書」が発表されることで新たな火種がくすぶっている。朝日を巡る論争はしばらく続く勢いだ。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身