社会

テリー伊藤対談「石破茂」(3)最後は国会で民主主義が問われる

20140911l

テリー 集団的自衛権が想定する国というのはアメリカですよね。

石破 アメリカだけに限るというものではないのですよ。

テリー 例えば、どこですか。

石破 韓国かもしれないし。

テリー じゃあ、中国と韓国がもし争ったとしますね。その時はどうするんですか。

石破 もし韓国から「助けに来てくれ」という要請があったとします。要請もないのに、「これが見捨てておかりょうか」みたいなのはダメですよ。要請があって「韓国が中国から攻撃を受けている」ということが「日本国の存立に重大な影響を及ぼし、国民の権利が根底から覆される明白な危険である」と日本が認めたとすれば、集団的自衛権の発動ができる。

テリー その時、韓国のほうが悪い場合だってあるわけじゃないですか。

石破 あります。

テリー その場合は、どうするんですか。

石破 ありえない話ではありますが、それは例えば、韓国が中国を侵略したというようなことですか。

テリー なぜそういうことを考えて質問させていただくかというと、イラク戦争の時、大量破壊兵器があるといってアメリカは突っ込んでいったけど、結局はなかったじゃないですか。今のロシアとウクライナだって、両方に主張があって、わかりにくいし。

石破 テリーさんがおっしゃるように、戦争の正義とは、国の数だけあるんですね。それぞれの国の言い分がある。だから例えば韓国が要請してきて、日本はそれを受け「これは日本を危うくする事態であります」と政府が判断したら、どうしてそういう判断をしたんだと国会で聞かれるわけですよ。

テリー そうですよね。

石破 だから政府が判断しただけではもちろんダメで、国会が承認しなければ集団的自衛権の行使はできません。だから、最後は日本の民主主義がきちんと問われるんですよ。

テリー でも、自民党が国会でも多数派になっているわけだから、結局それは政府と同じじゃないですか。

石破 いや、基本的にはかなり多様な意見を持った人々の集まりですから、そう安易に「右向け右」とはならないと思います。

テリー でもやはり、国をかけた大きな局面では、一枚岩になる可能性も大きいと思うんですよね。

石破 丁寧な議論しかないと思いますね。

テリー 韓国は日本に近いし、友好国だからわかりますけど、距離的に遠くの国というのはどうなんでしょうか。

石破 距離で制限を設けるべきか、という問題ですね。たとえ地球の裏側であっても、その国が攻撃を受けたということが日本の存立に関わるような事態であると判断すれば行く。現実には考えにくいケースではありますが。

テリー そうすると、例えば石油は日本の存立に関係するということも言えますね。そういう利益のことをいうと、どこの国とも日本は利害関係があって、そこもまた難しいところですね。

石破 何度も申し上げますが、それが存立に重大な影響を与えるようなことであればやるが、ほとんど貿易もないし、あまり関係がない‥‥ということであれば行かない。

テリー そういう時に、それでもアメリカは行きました。「何で日本は来ないんだよ」って言われる可能性はないんですか。

石破 可能性はあるでしょう。そういうリスクは負わなければ何もできません。

テリー その辺りが、国民も「わからないなあ」と思うところじゃないですか。

石破 ですから、これからわかってもらえるように一生懸命、説明します。日本の今までの戦争の歴史というのをきちんと検証しないと、アメリカの言うままとか、熱狂した世論に押されてとか、そんな判断をしかねないんです。ですから、私は問われているのは日本の民主主義であり、自民党も含めて、その時の政党だと思っていますよ。

テリー それはそうですよね。それから、僕はテレビマンだから、もし自衛隊員が海外で亡くなったら、どんな報道のしかたが起こるのか、ということを考えるんです。アメリカだと、柩を星条旗でくるんで国に持ってきて、その映像をブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」と一緒に流して、テレビで放映される。そうするとアメリカ人がどんどん高揚して、右傾化していくということが実際にあったじゃないですか。日本でも、日の丸に包んだ柩の映像を流すと、どんどん日本が右傾化していくんじゃないか‥‥という気もするんですよ。

石破 そこはもう一面あって、そういう悲痛な場面を報道することによって「こんなことはかわいそうじゃないか。戦いはもうやめましょう」という番組の作り方もできますよね。

テリー それはそうですけど、私は7~8割、高揚してしまうほうになるんじゃないかと思うんですけど。

石破 ですが、熱狂に駆られた決断というのは間違いを犯しやすい。

テリー そうですね。

石破 でも、政治家って、熱狂に迎合したいという誘惑がいつもあるんです。テレビだって、雑誌だって、視聴率を取りたい、販売部数を上げたいという誘惑がいつもあるはずなんです。だからメディアや政治家、世の中に大きな影響力を持っている人、あるいは媒体というのは、常に自分を自制するという部分を持っていないと、非常に危ないことになりかねないという気持ちは、私はいつも忘れたくないと思っています。熱狂にあおられてした決断は間違いのほうが多い。国民から歓呼の声で迎えられたいという誘惑にどれだけ勝てるかということは、我々はいつも心しなければいけないことなんです。ヒットラーなんて最たるものですよね。私は、どうやったら戦争にならないかをずっと考えているんですよ。

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