芸能
Posted on 2023年06月27日 09:57

春風亭一之輔 最終的な目標は「死ぬ前日まで落語をやって…」/テリー伊藤対談(4)

2023年06月27日 09:57

テリー 今増えてるんですか、新しく落語家になりたいっていう人は。

一之輔 年間10人ぐらいは増えてるんじゃないですかね。

テリー 師匠のところにも来るんでしょう、弟子にしてくれって人が。

一之輔 来ますよ。寄席とかの楽屋口で待ってますね。

テリー だいたい何歳ぐらいの人が来るんですか。

一之輔 まちまちです。コロナがいちばんひどかった時は、どう見ても54、5歳の人が来ましたね。ヨレヨレのポロシャツで近づいてきて、「弟子にしてください」って言うから、「おいくつですか?」って聞いたら「62です」って。

テリー いいですねぇ(笑)。弟子にしたんでしょう?

一之輔 いや、僕45ですから、順番から言えば先に死んじゃうだろうし、面倒見きれないですから。だから「取れないですね」って言ったら、ふてくされ気味で行っちゃいましたね。

テリー あ、そう(笑)。

一之輔 で、そのままラーメン屋に行ったんですよ。今の自分の21歳の弟子も後片づけしたら来ることになってたのに、なかなか来ないんですね。それで、やっと来たから「遅かったね」って言ったら、「すみません、今、僕に弟子入りが来て」って。その62が21に弟子入りしようとしたんです。

テリー ええっ!?

一之輔 危うく孫弟子ができるところでした。そういう人も来ますし、最近は女性も来ますね。

テリー 今、お弟子さんは。

一之輔 4人です。

テリー 弟子にするかはどこで決めるんですか。

一之輔 感覚ですね。何度断っても来るようなら、「ここが潮時かな」って取る場合もありますし。あと、歩きながら「仕事は何やってるの?」みたいな雑談の中で「この人のしゃべり方、何か不快だな」と思うと断る場合もあります。

テリー 今、一之輔さんは落語界を背負ってる落語家さんの1人だと思うんですね。これからの落語界をどうしたいとか、個人的な目標はあるんですか。

一之輔 僕、こういう落語家になりたいって目標を持たずに、何となく来ちゃったんですね。笑点もそうだし、真打に抜擢された時も、「まぁ、周りがそう言ってくれるなら、そういうもんだろう」と思いながら。で、最終的な目標はですね。

テリー あるんですね。

一之輔 死ぬ前日まで落語をやって。たぶん、今はけっこう独演会とかもやらせてもらってますけど、仕事はなくなるので、最終的に末廣亭とかのすごい浅い、昼の1時半ぐらいの時間帯に、1日1席だけやって、帰りにマルエツとかでお惣菜を買って、それをビールを飲みながら食べて、またあくる日も寄席に行って、「次の日死んでた」みたいなのが、最終目標ですね。つまんない目標ですけどね。

テリー いや、いいですね。

一之輔 僕が前座の頃はそういうおじいさんがいっぱいいたんですよ。先代の柳家小せん師匠なんて、もう80ぐらいで、1人でリュック背負って楽屋に来て、持ち時間15分だって言ってるのに絶対7分しかやらないんですよ。それで後の人間が困ってるのに「お先に」って帰って行くんです。

テリー それを許してくれるのが演芸場というか、落語界の懐の深いところかな。

一之輔 そうですね。「1日7分しかやらないのに、何であの人使われてるのかね?」って言ったら、「昔頑張ってたから、席亭がお情けで使ってるんじゃない?」みたいな陰口を叩かれながら。で、若い子が時々稽古に来て、お稽古つけるよみたいな感じの。落語家としては、いい締めくくりだなと思いますね。

◆テリーからひと言

 さすが師匠、若いのに風格あるなぁ。次に62歳の人が来たら、ぜひ弟子に取ってほしいよね。おもしろいから(笑)。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年04月25日 08:30

    ある50代の男性は、自分のスマホから見知らぬ番号へ何十件もSMSが送られていたことに、翌月の明細を見るまで気付かなかった。画面はなんら変わっていない。LINEも電話も普通に使えていた。それなのに、スマホは他人の「道具」として使われていたのだ...

    記事全文を読む→
    社会
    2026年04月24日 07:00

    本サイトは4月21日に〈「4.20北海道・東北地震」今回の後発地震注意情報は「かなりヤバイ」!「震度7」「30メートル大津波」で死者20万人の「割れ残り固着域」〉と題する記事を公開し、次のように警鐘を鳴らした。4月20日夕刻に発生したM(マ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年04月24日 11:30

    まさに「泣きっ面に蜂」である。ほかでもない、「後発地震」と「山林火災」と「クマ出没」という、未曽有の「三重苦」に見舞われている岩手県大槌町の被害実態だ。町民の心胆を寒からしめているコトの次第を、時系列に沿って追ってみると…。三陸のリアス式海...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/4/28発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク