社会

2015年「北斗星」で終焉「ブルートレイン」が全滅した4つの理由

 故郷への帰省や旅行、出張に利用され、1970年代後半には大ブームとなった寝台列車「ブルートレイン」。そんな栄華もむなしく、2015年には「北斗星」(写真)が定期運行を終了し全廃された。今でも「TRAIN SUITE 四季島」や「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」、「ななつ星in九州」など豪華寝台列車は残っているが、厳密にはブルートレインではない。

 あれだけの人気を誇りながら、なぜブルトレは全滅してしまったのか。真っ先に挙げられるのが新幹線の発達だという。

 鉄道ライターが説明する。

「1975年に山陽新幹線が博多まで開業し、82年に東北新幹線と上越新幹線が、92年に山形新幹線、97年に秋田新幹線と次々に開業すると、ブルートレインで時間をかけて目的地に行くより新幹線のほうが便利だと考える利用者が増えたんです」

 さらに深夜高速バスも客を奪った。

「寝台列車は夜間のうちに移動して翌日の朝イチから行動できるという利点がありますが、深夜高速バスも同じ。それでいて料金はバスの方が断然安い。ブルトレはこれで完全にとどめを刺されました」(前出・鉄道ライター)

 車両の老朽化も廃止につながった。乗客が減り続けている中で、新たな車両を作るのは経営的に考えて難しい。車両が使えなくなった時点で廃止にするという判断になるのも仕方がないだろう。

「運営面でもブルトレはJRを圧迫していました。深夜であっても停車する駅には人員を配置しなければならず、それだけコストがかかりますからね」(前出・鉄道ライター)

 定期運行している寝台列車は「サンライズ出雲・瀬戸」が残っているが、いつまで走るかは不透明。夜の鉄道旅を楽しみたければ早めの方がいいだろう。

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