スポーツ
Posted on 2023年08月18日 05:58

移転して直線コースが変わったら「逃げ切り勝ち」が減った/日本全国「旅打ち行脚」~名古屋競馬(上)

2023年08月18日 05:58

 ギャンブル場で時折見かけるのが「3匹のおっさん」だ。2人でなく3人だと話が弾むのだろうか。

 5年前に豊橋競輪に出かけた際に、いかにも地元の人という3老人に出くわした。食べ物の話になって、何がいいかを聞くと、渥美半島の突端にある伊良湖岬の「大あさりを食べんな」と言う。

 翌日、1時間かけて伊良湖岬に車を走らせ、はまぐりよりも大きい大あさりに舌鼓を打つ。「3匹のおっさん」に感謝だった。

 渥美半島は三河湾に面しているが、岬の向こうは伊勢湾で、あさりではなく天然のはまぐりが獲れることで知られる。はまぐりも食べたい。名古屋競馬場の場所を調べながら、宿泊するならはまぐりの産地、桑名しかないということで、名古屋旅打ちはスタートした。

 名古屋競馬に行くことを、昨年3月までは「どんこに行く」と言っていたそうだ。1949年に開場した名古屋競馬場は場所にちなみ、別名「どんこ競馬場」、通称「どんこ」と地元の人や古いファンは言っていた。どんこは「土古」と書く。「明日はどんこに行かにゃ」だ。

 そのどんこが名古屋近郊の弥富市にある弥富トレーニングセンターに移され、新しい馬場と、コンパクトでモダンな建物へと生まれ変わった。ナイター競馬も開催されるようになった。

 どんこは名古屋市内からあおなみ線金城ふ頭行きに乗って6駅目。名古屋競馬場前駅まで13分(駅名は港北駅に改称)と、市内から近距離だった。弥富に移ってからは、各所から無料バスが出ている。名古屋駅の名鉄バスセンターからの便は片道40分。ファンにしてみれば「遠くなった」が実感だろう。

 宿泊する場合、名古屋ならレース終了後、40分かけて戻ることになるが、旅打ちの場合は都会より小都市、寂れた街がいい。それならやはり、はまぐりがある桑名はベストな選択である。

 名古屋から桑名までは、JRか近鉄線で20分程度。桑名駅から名古屋競馬場までは揖斐川、長良川、木曽川を渡って、車で約20分。中部、東海地区の3大河川を渡るだけでも、桑名までやってきた甲斐があるというものだ。

 車を走らせると、どの川も想像以上に幅広で悠然としている。揖斐川と長良川は隣り合わせで、2つの川をまたぐ橋が架かっているが、その揖斐長良大橋の長さは1キロ以上あるらしい。とにかく雄大。旅気分!

 8月10日、名古屋競馬は第10回3日目。到着した頃には15時を回っていた。この日は台風7号の影響で、風速5メートル以上の強風が吹き荒れ、砂ぼこりが馬場の上空を舞っている。初めて見る馬場で、しかも強風。難しい競馬になりそうだ。「こりゃあ、いかんで」と。

 どんこ時代は1周1100メートルの右回り、直線は194メートルと、日本一の短さだった。直線が短い馬場特有の、4コーナーまでハナを切っていた馬が逃げ切ることが多かったという。新馬場になって1周は1180メートルの右回り、直線部分はゴールまで240メートルだ。

 比較すると4コーナーからゴールまでの距離は約46メートル延びただけだが、コース設計が大きく変わったことで、決まり手も変わった。新旧の違いを地元ファンに聞いてみると「どんこからここに移って先行、逃げ切りが少なくなった」と言う。

 場内をウロウロし、3R、4Rとも馬券はドボン。総合受付横の階段を上がったところにある、小さなレストランに落ち着いた。ナイターの旅打ちは、昼はサンドイッチ程度が多いので、なにはともあれ、メシにありつきたい。入り口付近のキッチンカー以外では飲食店はここしかなく、吟味の末に、かき揚げきしめん(800円)と豚串・海老・ウズラの串カツミックス(500円)を。ザッツ名古屋のランチとなった。

(峯田淳/コラムニスト)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク