スポーツ
Posted on 2023年09月18日 05:55

岡田阪神「モヤモヤ狂騒曲」(3)「いつから、こんなに阪神ファンが増えたんだ?」

2023年09月18日 05:55

 9月に入り、一度消滅した優勝マジック「18」を再点灯させた岡田阪神。7日にはその数を「12」にまで減らし、8日からの2位・広島との直接対決の結果次第では、18年ぶりのリーグ制覇に大きく近づくことになるが、ファン歴50年以上の作家・増田晶文氏のモヤモヤは解消されず。

 虎党が甲子園球場を埋めつくす。ビジターでの盛り上がりも凄まじい。

 東京ドームに横浜、神宮。私は定席の一塁側外野席最上段からタイガースを???激励、横目で三塁側の阪神ファンをみやる。

 ヒッティングマーチに六甲おろし。拍手に歓声、ときに悲鳴たまに怒号が混じる。とはいえ、総じて明るく愉しい老若男女の応援ぶり。私は月桂冠ニューカップをぐびり、酔うほどにモヤモヤが湧いてくる。

「いつから、こんなに阪神ファンが増えたんだ?」

 私が頻繁に甲子園へ赴いた大学生時代、80年頃は巨人戦以外ガラガラ。20時それとも5回だったか、途中から入場料が安くなったことも覚えている。ぺんぺん草しか生えない原っぱみたいなスタンドから、投球練習中の工藤一彦に、

「えらい手投げやな」

 本人に聞こえてしまい、ギロリと睨まれた。

 今や阪神戦の入場券はプラチナチケット。TBS(6月19日放送)によれば、今年の平均観客数は4万1065人で日本一、世界でもメジャーを押しのけ2位というから凄まじい。最終的にどんな数字を残すのか、岡田彰布監督の好采配で優勝でもしたら(するに決まっているのだが)トップのドジャースを抜くかもしれない。

 増殖を続ける阪神ファン。しかし、彼らと連帯する気になれない。やっぱり、どこかが違う‥‥。

 私にとって、阪神は大阪そのものだった。生まれもってのヘソ&ツムジ曲がり、長じて根性もネジれた私は、権力や権威を前にすると反抗的になる。偉そうにしているヤツは大嫌い。

 少年時代、ONを擁する讀賣巨人軍が連続して日本一に輝いておった。巨人、大鵬、卵焼き。私にはまったく面白くない。

 足下をみやれば大阪には四つも球団があった。とはいえ阪急、南海、近鉄は日本シリーズでしか巨人と対戦できない。ちなみに実家は近鉄沿線の布施。ところがバファローズはボロカスに弱く優勝に縁遠かった。

「よし、やっぱし阪神や」

〝巨人=東京〟は大阪人の共通認識、大阪にとって東京こそ最大のライバルであり、眼の上のタンコブ。大阪優位を強調する余り、「天下の台所」「東洋のマンチェスター」なんて大昔の栄光を口にする大人が大勢いた。そこに70年の万国博覧会がカンフル剤となり、「東京ナニするモノぞ」の気概のみ空回りしていた。

「うん、阪神しかないわ」

増田晶文(ますだまさふみ・作家):昭和35(1960)年大阪生まれ。最新刊に時代小説「楠木正成 河内熱風録」。吉本関係の著作として「吉本興業の正体」(ともに草思社)がある。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2013年11月26日 10:00

    11月8日、歌手・島倉千代子(享年75)が肝臓ガンで死去した。島倉といえば、演歌の王道を歩むように、その生き様は苦労の連続だった。中でも、莫大な借金返済で味わった地獄は理不尽極まりなかったようで──。島倉は、男を信じて手形の保証人となったせ...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年05月02日 18:00

    三陸沖で再び地震が発生し、富士山噴火を危惧する特番が組まれ、高市政権は武器輸出を解禁─この不穏な流れは何かの兆しなのか?いち早く察知したのは「Mr.都市伝説」関暁夫氏だ。30年以上前に作られたカードが、驚愕の未来を暗示しているという。いった...

    記事全文を読む→
    スポーツ
    2026年05月03日 18:00

    世界の大谷翔平の背中を追う「後継者」が、同じ米国で静かに存在感を強めようとしている。日本を経由せずに米大学で名を馳せて、即メジャー入団を夢見る怪物のことだ。ところが今、その進路を巡って“別シナリオ”が確定的と言われているのだ。は...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/4/28発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク