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記事全文を読む→世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「楽天・安樂のクビは厳しすぎる…」
楽天の安樂智大投手がチーム内のパワハラで自由契約となった。スポーツ紙の報道で発覚して、アンケートを実施した球団が「ほぼ事実」と認めた。「ロッカールームで逆立ちさせられパンツをずらされて下半身を露出させられた」などの訴えが寄せられたという。これ、ほんま小学生がやるようなイタズラ。女性の前でやったわけでないし、安樂からすると仲間うちでワーワーと面白がる感覚やったと思う。ただ、やられた方が精神的苦痛を感じたらパワハラとなる。
正直言うと、犯罪や暴力行為を犯したわけでもないのに、クビというのは個人的には厳しいなと思う。一般の会社もパワハラでの解雇が当たり前の時代なんかな。僕ら昭和の時代に野球をやってきた者にとっては、監督からの鉄拳制裁も当たり前の時代やった。中日監督時代の星野仙一さんなんて、すごい逸話がたくさん残っている。
幸い、阪急は「いじめ」みたいなものはなかったし、見つけたら先輩やコーチが止めさせていた。今回の安樂の一件では、投手のリーダー的な立場の田中将大が「年長者として、もっと後輩たちの様子に気を配り、気軽に相談され、問題があれば率先して注意すべきであった、意識が甘かったと反省しています」と自身のSNSで謝罪した。マー君世代にとってはセーフと思っていても、免疫のない若い子にとっては耐えがたいこともあったということ。「意識が甘かった」というのは、マー君が「いじめ」のレベルではないと思っていたから。
しかし、ホントに最近は先輩と後輩の上下関係がなくなってきている。高校野球でも、先輩に対して友達のような口のきき方が許されている学校がある。僕らの時代では考えられなかった。プロに入ってどれだけ自分が実績を残しても、2軍の年上の選手にもしっかり敬語を使っていた。こんなん当たり前のことやけど、今は違う。だから上下関係が甘い学校からプロ入りした選手は、クセの強い先輩に対して、戸惑うことがあるんとちゃうかな。
世間の風潮では、体育会のしつけが「悪」と見られているけど、礼儀やあいさつは、いつの時代も大事にしなアカン。少年野球でも帽子をとってグラウンドにまずあいさつするなど、小さい頃から技術だけでなく、「礼儀」を教えてくれるチームも多い。それなのに、大きくなって礼儀知らずになる子がいる。12月5日のネット記事でヤクルト・山崎晃太朗が「あいさつ委員長に立候補」というのを見て、あきれた。こんなことを公に指導しないとアカンぐらい、今はあいさつができないということ。
山崎は「若手選手のあいさつだったり、行動がよくできていない。30歳前後がもっと厳しく、今、色々ありますけども、その中で先輩が言えることは言い合っていきたい」と訴えた。立派な発言やけど、安樂問題の最中だけに少し心配になった。暴力はアカンけど、きつく叱ることまで若手が球団に訴えるようになれば先輩もやりにくくて仕方がない。昭和、平成、令和と時代は流れても、大事にしていかなアカン部分は確かにあるんやけど‥‥。
しかし、安樂は済美高校時代からチームのために身を粉にして投げてきて、最後がこれでは残念すぎる。十分に反省したと判断されたら、どこかで野球を続けるチャンスを与えてあげてほしい。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。
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