スポーツ
Posted on 2014年12月13日 09:56

掛布雅之 オフの間に「失敗の内容」を考えよう(1)

2014年12月13日 09:56

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 球界は12月からポストシーズンに入りました。野球協約173条には「球団又は選手は、毎年12月1日から翌年1月31日までの期間においては、いかなる野球試合又は合同練習あるいは野球指導を行うことはできない(抜粋)」とあります。つまり、この2カ月間、選手たちは球団からまったく拘束されることがないのです。だからといって、ゆっくり休んでいてはライバルに勝てません。ある意味ではこの期間の過ごし方こそ、プロ野球選手にとって最も大事と言えるでしょう。

 これから一軍昇格を目指す選手、レギュラーを奪いにかかる選手は、いかに反復練習をやり続けられるかどうかです。単純な練習でも我慢して継続した人間が勝ち残っていく世界なのです。最後に物を言うのは、野手ならバットを振った数、ボールを捕った数です。若い選手がいくらウエートトレーニングに励んだところで、ベテランには勝てないのです。この時期、レギュラークラスの選手がジムにこもって体を鍛え上げる光景がよく見られますが、それはすでに野球の技術があるからこそ意味があるのです。これから技術を磨かなければいけない選手たちが同じことをしていたら、差が開いてしまう一方です。

 反復練習の礎となるものは、各選手が秋季キャンプで見つけたはず。その「手応え」が確かな選手ほど、オフの間もやり続けることができるはずです。だからこそ、秋季キャンプが大切になるのです。監督、コーチも若い選手たちに「礎」を与えてやらないといけません。ただ紅白戦などの結果を見るのではなく、12月、1月を過ごさせるための形作りを考えて指導しなければいけないのです。

 阪神の例で言うと、来季2年目の陽川は秋季キャンプで「礎」に手応えをつかんだはずです。私も口酸っぱく、肩、腰、膝を平行に軸回転させるレベルスイングの必要性を説いてきましたが、今では本人の口から「レベルスイング」という言葉が出るようになりました。あとは無心でバットを振り続けることです。それもマシンのボールを打つより、素振りのほうが効果があります。球を打つという作業は、どんなボールでも多少は崩れないとできません。そして崩れて打つためには、確かな土台が必要となるのです。その土台作りは素振りでしかできません。単純な作業をやり続けてこそ、一軍で通用するスイングが完成するのです。

 ではある程度、一軍で結果を残した選手たちは、どういうオフを過ごせばいいのでしょうか。もちろん技術を磨き、体をケアすることも大切です。でも、行き詰まった時は野球から一度、距離を取ることを勧めます。親しいテレビ局関係者から聞いた話によると、今オフ、巨人の坂本、長野らはテレビ出演などを球団が控えさせているということです。自分を見つめ直す時間を持たせることはすごく大切だと思います。2人ともここ1、2年は伸び悩んでいるように見えます。一度、頭の中の積み木を崩して、どの木を底辺にして、どの木を上にするかなど、考え直したほうがいい時期なのかもしれません。そのヒントは、他のスポーツで見つかる時もあるのです。

阪神Vのための「後継者」育成哲学を書いた掛布DCの著書「『新・ミスタータイガース』の作り方」(徳間書店・1300円+税)が絶賛発売中。

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