スポーツ

デーブ大久保「楽しい試合はひとつもなかった」/テリー伊藤対談(1)

 原監督に誘われ、昨シーズンをジャイアンツの1軍打撃チーフコーチとして過ごしたデーブ大久保氏。しかし、思うような結果が出せず、原監督と共にチームを去ることに。いったいどこに原因があったのか。共に戦った熱烈G党の天才テリーが迫った!

テリー ジャイアンツの1軍打撃チーフコーチ、お疲れさまでした。

大久保 いや、今回は疲れましたね(苦笑)。まだ心と頭のリハビリ中です。

テリー 僕、実はデーブが巨人のコーチになってから、ずっとYouTube(「デーブ大久保チャンネル」)見てるんですよ。

大久保 ありがとうございます。

テリー それを見てると、巨人軍のユニフォームを着る前は、ちょっとはしゃいでたって言うと何だけど、そういう感じでしたよね。

大久保 そうですね。やっぱり原(辰徳)監督からストレートに「手伝ってくれないか」って声をかけてもらった喜びもありましたし、何より「役に立てる」っていううれしさが先に立ちましたね。

テリー 自信があった?

大久保 はい。ライオンズの打撃コーチになった時もそこそこうまくいって、1年目で日本一になりましたし、楽天へ行った時も1年目は勝率5割で終わったんですよ、Bクラスだったとはいえ。このチームを5割で終わらせられたら、僕は大成功だと思ってたので。で、その翌年は(田中)将大の24連勝もあって、日本一になった。何となく〝勝ちを持ってる〞っていう自分がいて。「俺が行ったらイケる」っていうのはありましたね。

テリー うん。そんな感じだったね。

大久保 もちろん、「浮かれるな、そんな甘いもんじゃないぞ」っていう思いもありつつ。でも、1年やってみて、楽しかったことは野球においてはゼロでしたね。勝った試合もまったく楽しくなかったですし。

テリー 何で?

大久保 やっぱり巨人ってスター選手の集まりなんですよ。手助けするっていっても、坂本(勇人)、岡本(和真)、中田(翔)、丸(佳浩)、みんな手助けがいらない選手なんです。あまりにも能力が高いから。

テリー 打撃コーチとして言うことがない?

大久保 対策を練って、「これがチームの方針だから」って、みんなでやってもらわなきゃいけないこともありますけど、果たして、その実績あるベテランがそれをやるのかという。

テリー 当然やるんでしょう?

大久保 やる打席もあれば、やらない打席も出てきますよね。昔は監督が「わかったか」って言えば、「はい」しかないですけど、今はそういう時代じゃないですから。選手が「いや監督、こうなんですよ」「僕、こうやりたいんです」っていう。なんか監督、コーチより選手の方がはるかに上みたいな時代になってたんです、この8年ぐらいで(編集部注:氏は楽天の監督を2015年に退任)。

テリー ああ、そうなんだ。

大久保 だから今のプロ野球、頑張る人は残らないんです、コーチングとしては。「よし、何とかチームを変えてやろう」って、選手に注意したり、小言を言う人は邪魔な時代なんですよ。何かあれば監督、コーチを超えて、選手が球団に直接言う時代ですから。

ゲスト:デーブ大久保(でーぶ・おおくぼ(大久保博元))1967年、茨城県生まれ。1985年、西武ライオンズにドラフト1位で入団。1992年、読売ジャイアンツへ移籍。1994年には日本シリーズに出場し、日本一に貢献した。1995年に現役引退し、「デーブカンパニー」設立。野球評論家・タレント・プロゴルファーとしても活動。また指導者として、西武の打撃コーチ、東北楽天ゴールデンイーグルス2軍監督、同チーム1軍監督、巨人軍の1軍打撃チーフコーチを務めた。2016年、東京・新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」開業。YouTube「デーブ大久保チャンネル」も開設中。

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