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記事全文を読む→東海大福岡高校センバツ出場選手が背負う「剣道部で集団イジメ転落死」宝塚歌劇団と同じ十字架
こんな凄惨な事件を知っていたら、別の高校を受験した生徒もいただろう。
2021年3月に東海大付属福岡高校(福岡県宗像市)の剣道部に所属していた男子生徒(当時2年生)がマンションから転落死した事件で、同校と第三者調査委員会は2月20日、剣道部の上級生5人から計10件の「強制わいせつ」「窃盗」「監禁暴行」に該当する陰惨なイジメを受けていた、との調査結果を公表した。
今クール放送中のドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS系)の舞台となった1980年代は、ケツバットも竹刀で頭を叩くのも当たり前。
そして今では教師や管理職はコンプライアンスで身動きが取れない一方で、令和の「イジメ」は昭和・平成の「シゴキ」「イジリ」とは一線を画す、陰惨なものへと変化した。
亡くなった男子生徒は上級生に粘着テープで縛られ、身動きが取れない状態のまま、上級生集団によるわいせつ暴行の被害に遭った。その上で、性被害を撮影した動画をSNSで拡散されていた(筆者注:犯罪被害動画はウェブサイト管理者によって徹底的に削除されるので、万が一拡散被害に遭っても、悲観して思い詰めてはいけない)。
福岡県警は2021年11月、上級生5人のうち1人を強制わいせつ容疑で福岡地検に書類送検。保護観察期間はわずか2年で、首謀者はすでに野に放たれている。
東海大付属福岡高校があの日本大学と同レベルでお粗末なのは、少年審判で強制わいせつの非行事由が認定された時点で、全校生徒と保護者への説明も十分になされず、剣道部を廃部処分にもせず、顧問監督の処分もされなかったことにある。
第三者委員会の公表後ですら、同校剣道部はスポーツ教育に力を入れる「強化部」として公式サイトで紹介されており、事件と無関係な現役部員の実名や顔まで晒されていた。被害に遭った生徒はもちろん、在校生へのデジタルタトゥーの被害認識が甘すぎるのだ。
同校の来年度入試の募集は昨年11月から始まっており、専願入試は1月、スポーツ推薦の入試は同校が今春の全国選抜高校野球大会に華々しく選ばれた後の2月10日にあった。野球部員は事件と無関係ながら「上級生がイジメた後に転落死」という宝塚歌劇団と同じ十字架を背負って、大舞台に立つことになる。
他の部活動とはいえ、第三者調査委員会の結果がもっと早く発表されていたら、センバツ主催者は遺族感情に配慮し、同校を「選抜」していたかどうか。出場選考ライン上にあった他の強豪校は、複雑な心境だろう。
2月26日現在、同校ウェブサイトの剣道部紹介ページはひっそり削除され、顧問の処分も明らかにされていない。
転落死から第三者委員会の調査発表まで3年が経過しており、男子生徒が在籍当時の剣道部関係者は、処分から逃げ切ることができた。もし加害者が大学に進学していた場合について、全日本学生剣道連盟に問い合わせたが、
「まことに痛ましい事件ですが、本連盟は対応できる立場にありません。大学生の組織として本連盟が対応できるのは、本連盟に関わる不祥事ですので、他の組織における不祥事に対して介入することには限界があります」
と回答を寄せている。
イジメの加害者、傍観者がこのまま「勝ち逃げ」してしまうとしたら、同校と第三者委員会の「調査結果公表」はあまりに遅すぎた。
(那須優子)
アサ芸チョイス
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