社会

医師・帯津良一の健康放談「検査結果が健康の証しではありません」(1)

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酒は毎日朝から飲むがよし

 私は城下町・埼玉県川越の生まれで、中学までは地元の学校に通い、高校は越境入学で都立小石川高等学校に進学しました。当時は都立高校の全盛時代で、日比谷高校をトップに、戸山、新宿、小石川、西とありましたが、川越から都心に出る東武東上線上では、小石川がいちばん近かったんです。

 大学は東大の理科二類から医学部へ入って卒業し、東大の第三外科に所属しました。その後、共立蒲原総合病院や都立駒込病院勤務を経て、1982年、川越に帯津三敬病院を作り、現在に至っています。

 医者になって半世紀以上たちますが、健康を考えるうえでいちばん大切なことは、内にあるダイナミズムがないとダメということです。これはフランスの哲学者、ベルクソンが唱えた「生命の躍動」を指します。

 青雲の志や情熱と呼んでもいいでしょう。胸に燃え立つものを持っていなければ、「健康」とは定義しません。いくら人間ドックの成績がよくても、それはたまたま値が正常値だった、ただそれだけのことです。逆に、生命の躍動さえあれば、少しぐらい乱暴なことをしたり、異常値が出てもいいんです。

 私自身は企業検診で何種類も異常値が出ます。例えばアルコールによる肝機能障害に反応するγ-GTPは、いつも200U/L以上。基準値が0~50U/Lですから人に負けたことがありません(笑)。だけど、ここ何年も同じ値です。そして、どうってことはない。コレステロール値も高いですし、肝臓病の有無を検査するGOT、GPTも少し高め。腹囲も1メートルもありますよ。

 それでも私は自分自身を健康だと確信しています。それは、生命の躍動が自分の中にあるからです。ときめいているわけですよ、毎日毎分、いろんなことに。

 私が生命の躍動を感じる瞬間の一つが、お酒を「飲んで」いる時です。

 ウイークデーは夜だけ。朝2時半に起きて、早朝から病院に行って、お昼は時間がないからあっという間に食べて、18時半から病院でゆっくりと晩酌をやるわけです。1日のローテーションとしては十分満足です。アルコール中毒者のように、いつも飲みたいとは、決して思わない。

 土日はたいてい、原稿の執筆や地方へ講演に行くために都内のホテルに泊まります。そして、朝昼晩と飲みます。習慣で平日と同じ時間に目覚めますが、「今日はもっとゆっくり寝ていいんだ。もう少し寝よう」ということで、4時頃に起きます。

 起きたら風呂に入って原稿を書きますが、6時半になるとホテルの食堂が開くんですね。4時半ぐらいから原稿を書いて2時間もたつと、ちょうど疲れが出てくる頃なので、食堂へはいつも一番乗り。朝食兼朝酒を楽しむためです。

 本当にうまいんですよねぇ、この朝酒が(笑)。

 頻繁に宿泊するホテルのスタッフはみんな知り合いですから、席に座ると注文しなくても、いつも同じものが出てきます。

◆プロフィール 帯津良一(おびつ・りょういち) 医学博士。東大医学部卒、同大医学部第三外科、都立駒込病院外科医長などを経て、帯津三敬病院を設立。医の東西融合という新機軸をもとに治療に当たる。「人間」の総合医療である「ホリスティック医学」の第一人者。

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