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記事全文を読む→医師・帯津良一の健康放談「“死”について明るく考えましょう」(2)
なぜ? 今日は初鰹で1杯呑むんだとワクワクしながら戸に手をかけた瞬間に、ドーンとひっくり返る(笑)。これが、私がイメージするラストシーンの中の1つです。
ラストシーンのイメージを、何種類か用意しておいたほうがいい理由は「死」がどこで訪れるかわからない不確実性にあります。もし私が長野県で死ぬことになったら、谷中のイメージ1つだけじゃ、死ぬまでにそこにはたどりつけませんから(笑)。
私の2つ目のイメージは、病院での死です。患者として死ぬのではありません。私、川越の帯津三敬病院を新しくしたんで今、借金をいっぱい抱えているんです。これはね、一生かかっても返せない。だから、病院で医師として働いている最中に倒れて死ぬことになるわけです。
新しくなった病院の中で「どこがいちばん死に場所に適しているかな‥‥」なんて思いながら、全部の廊下を歩いてみました。外来の待合室がある廊下がいちばん広い。だから、そこでドーンと倒れようと決めました。
倒れる瞬間、私の前を看護師さんが歩いていて、看護師さんが気配を感じて後ろを振り返ると、私が前に倒れそうになって、彼女が手を差し伸べる。私はその胸の谷間に顔を埋めてバターンと逝くというね(笑)。
世界中を回ると、そのたびにいい死に場所を見つけてもいますね。
私が団長となって人を募り、スピリチュアルヒーリングのツアーを5年ほど、行ったことがありました。ロンドンの西のほうへ行くのですが、その帰りに必ず立ち寄るのは、ヒースロー空港にあるシーフードバー。そこの生牡蠣が、これまたおいしいのです。日本の生牡蠣よりも身が薄くて、貝殻に貼り付いたような形状になっていましてね。クルッとはがして食べると、冷たくておいしい。
空港で迎えが来るなら、その店でいちばん合う白ワインを呑みながら、生牡蠣を10個ぐらい食べたあとにバターンと倒れるとかね(笑)。
こうして死ぬシーンをいくつも用意していますが鎌田先生のおっしゃったように、きちんと生きていないといい死は迎えられません。「きちんと生きる」とは「攻めの養生」をすることだと考えています。難しいことではなく、常に自分を向上させていくことです。「向上させる」というのは人格的にという意味ではありません。生命のエネルギーを高め続けるということです。これが「攻めの養生」の根幹なのです。
「攻めの養生」を続けているということは、死ぬ瞬間まで向上するということです。死に直面した1~2カ月前こそ、さらにスピードアップしていかなければなりません。
そうしてガーッと死の頂点に向かって一気に上り詰めて、死後の世界に飛び込んでいく。先に向こうへ行っている人が「何か飛び込んで来た! あれ何だ!? 帯津先生だ!」とびっくりする勢いでね(笑)。
私はそういうのがいい「死」だと考えています。
◆プロフィール 帯津良一(おびつ・りょういち) 医学博士。東大医学部卒、同大医学部第三外科、都立駒込病院外科医長などを経て、帯津三敬病院を設立。医の東西融合という新機軸をもとに治療に当たる。「人間」の総合医療である「ホリスティック医学」の第一人者。
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